兄の先輩 (水溜りボンド・トミー) (ページ5)

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5.シュークリームページ5

お兄ちゃんたちと一緒に住むようになって、
1週間が過ぎた。

この家のルールも少しは覚えてきて、

例えば、冷蔵庫使うときは、自分のものには名前を書く、とか。

名前書いてなかったら、誰かが勝手に食べちゃうみたいで...

それで、今日コンビニで買ってきたシュークリームを冷蔵庫に入れてたんだけど、

名前を書き忘れてしまって、

『あれ？ないな...』

食べようと思って、冷蔵庫を見るけどそこにシュークリームの姿はなくて、

『誰に食べられちゃったかな...』

冷蔵庫の中を何度も探していると、

お兄ちゃんが後から声をかけてきた。

「A、どうかしたの？」

『あっ、お兄ちゃん。冷蔵庫に入れてたシュークリーム知らない？』

「名前書いてなかったの？」

『うん、書くの忘れちゃった。』

「じゃあ、冷蔵庫にないなら、もう誰かに食べられてるよ。」

そう言い残し、お兄ちゃんは部屋に戻って行った。

『えー、シュークリーム食べたかったのに...』

そうボソッと呟くと、

お風呂上がりなのか、

濡れた髪をタオルで拭きながらトミーさんが来て、

「えっ？シュークリームAちゃんのだったの？」

私がボソッと呟いた言葉が聞こえていたみたいで、聞いてきた。

『はい...。』

「うわっ、ごめん！名前書いてなかったから、俺食べたわ。」

『いえ、大丈夫です。名前書き忘れた私が悪いので。』

私はシュークリームを諦めて部屋に戻ろうとすると、

「今からコンビニ行って買ってきてやるよ。」

トミーさんはまだ濡れてる髪を拭きながら言う。

『えっ、いや、大丈夫です！トミーさんお風呂上りでまだ髪濡れてますし、湯冷めしちゃいます。』

私がそう言うも、トミーさんは

「俺も買いたいものあって、ついでだから気にすんな。」

と言って、コンビニへ向かってしまった。

そっか。ついでなのか...それなら、良いのかな。

それにしてもお風呂上がりのトミーさん...

髪の毛濡れてて、なんかよく分からないけど、少しドキッとした。