【轟焦凍】【爆豪勝己】溺愛吸血鬼と俺様王子 (ページ14)

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『またお話してください！』

「……！！えぇ、もちろんですわ！」

八百万さんがいなくなって部屋に一人。

何かしたいけど、安静にしてなきゃいけないし……

そういえば、今何時なんだろう

部屋中を見ても時計らしきものは見当たらない

カーテンを開けて空を見ると来た時と同じ色

『…変なの……』

外を眺めても森が続いているだけ

でも、こうやって高い所から見ると分かれ道がいくつかあるのがわかる

しゆけん……

さっき八百万さんが教えてくれたこと、ちょっと気になるな

「そういえば、死逝犬に襲われそうになったと聞きましたわ

緑谷さんが助けたとか…噛みつかれなくて本当によかった……」

『そうなんですよ、

なんかいるなぁと思ったら出てきたんです
殺されると思って必死に走りました笑』

その時、しゆけんが存在する理由を緑谷さんが私に言おうとしてたのを思い出した

『あの、どうしてしゆけんがいるかわかりますか？

あんな動物、初めて見ました』

「詳しくはよく知らないのですが……

死逝犬は、どこかの王子様が放していると聞いたことがありますわ」

『王子様……？』

「はい、

死逝犬は生きている方々を殺してしまう恐ろしい犬です

姫が襲われそうになったのは

あなたが生きている人だから、みなさんそう考えていると思います

……でも、わたくしはそれだけではないかと思うのです」

『それは……どういうことですか？』

「その王子様が死逝犬を放しているのは、姫を自分のものにするためです

実際、生きている方が迷いこんだのはあなたくらいです

ですから、死逝犬が人を殺した事例がないのです

きっと王子は死逝犬を使って姫を探しているのだと思います

あなたに噛みつかなかったのは、王子様にあなたの特徴を伝えるためかと

"姫はの他の世界からやってくるだろう"

この言い伝えを、王子様は信じているのでしょうね」

＿＿＿だから、気をつけなければなりません

もし八百万さんの話が本当だったら

すぐにでも王子は私の所に来るということだ

人を殺す犬を放している王子なんて、どう考えても危険だろう

そんな奴のところに連れていかれたら、何をされるかわからない

…それこそ、殺されるかもしれない

八百万さんの話を一旦忘れて

ネックレスに触れたまま眠りについた