ヤキモチ ページ24
九州制圧を目論む中、「暗にも目を光らせておけ」と吉継に説得され、近々豊前への遠征を余儀なくされた三成はどうも気乗りがしなかった。
「(既に虫の息である官兵衛にわざわざ目を光らせておく必要など無いだろう。大友や島津が西軍に加われば、それこそ下手に動くことなど出来ないはずだ。それなのに何故、刑部はやけに官兵衛を警戒している？)」
参謀である吉継の考えていることが分からない。
だが、吉継が警戒しているのなら警戒した方がいいのだろう。
自分は家康を殺すことが出来ればそれでいい。
結果的にそこへ行きつくのなら、吉継が何を企んでいようとどうでもいい。
「(……しかし、また遠征か。Aに伝えておかねば)」
三成はAの部屋の障子を引く。
ふわりとした優しい香りが出迎えてくれたが、当の本人は不在だった。
「(そういえば女中らと出かけるとか言っていたな)」
昨夜、Aが台所で女中たちと楽しげに話していたところを偶然見かけた。
何でも城下町に新しい店が出来た、とか。
どんな品が置かれているのか気になるから明日皆で行ってみよう、とか。
そんなことを言っていた気がする。
「(相手が男でない分多少許容するべきだと思ってはいるが……何故私に一言言わない！？せめて一声かけてくれれば女中ではなく私が伴をしたというのに！)」
今頃女中たちと楽しく城下町を満喫しているであろうAを想像してヤキモチを妬く。
こっちは気乗りしない遠征で憂鬱だというのに。
「……いや、これは寧ろ好都合なのでは？」
ふと、今ならAの好みを把握出来るのではと考えてしまった。
本人がいる前では流石に引かれてしまうかもしれないが、不在の今ならどんな私物を持っているのか見ることだって……。
「けっ……決して、下心はない。遠征のおりに土産の一つでもあればAも喜ぶはずだ。Aの好みを知っておけば何を買おうか迷わずに済む。これは無駄な時間を浪費せずに帰還するための最善の策だ。……決して、下心は、ないッ！」
後ろめたい気持ちを正当化して、あくまでもAの好みを知るために部屋を見て回る。
着物、簪などの小物……。
一通り見た結果、藤の花を模した物が多いことが分かった。
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三楓(プロフ) - 天智就佐さん» コメントありがとうございます！病んでる三成様を書いているといつも以上にキーボードが捗るので（笑）まだまだ頑張ります(*´∀｀*) (2020年4月4日 20時) (
レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
天智就佐(プロフ) - 更新頻度が早くて内容が神なんて尊敬します！これからも頑張ってください！ (2020年4月4日 17時) (レス) id: b2ae4e5a5c (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 霧雨ルカさん» コメントありがとうございます(*´∀｀*)更新頑張ります！ (2020年3月30日 19時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
霧雨ルカ(プロフ) - 三楓さんの小説好きです！これからも頑張ってください！！応援してます！ (2020年3月30日 13時) (レス) id: 58200a85c8 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 紫月姫さん» コメントありがとうございます！たまには病みかけているところから書きたいなと思いまして...（笑）自分のペースで更新頑張ります！(*´∀｀*) (2020年3月28日 21時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三楓 | 作成日時：2020年3月23日 22時
