当惑 ページ38
一日で二人の男に求愛されるなど、恐らくこれから先の人生で起こることはないだろう。
故に、Aは顔を赤らめて酷く戸惑った。
「ちょ……待ってください」
「何故待たねばならん。私が嫌いか？」
耳元で返答を急かす三成に、Aは俯きながら顔を手で隠す。
「いえ、そうではなく……一度にたくさんの事があり過ぎて混乱していると言いますか」
「何を戸惑うことがある？貴様は素直に頷けばいい。まさか左近に好意を寄せているとほざくわけでは無いだろうな？」
抱きしめられたまま、高圧的に責められる。
Aからすれば、自分はここにいるだけでも幸福なことであって、それ以上は望んでいなかった。
三成に好意を寄せていたなら、ここで彼の言葉を素直に喜べただろう。
逆に左近に好意を寄せていたなら、三成をはっきりと断れていたかもしれない。
だがどちらでもない場合、どうしていいか分からなかった。
「何故黙っている？答えを聞かせろA」
Aの鼓動が煩く脈を打つ。
どうしよう。なんて応えよう。
焦る彼女を哀れに思ったのか、神様が救いの手を差し伸べた。
「三成様、火急の知らせにございます」
障子に映る家臣の影。
三成は舌打ちをしながらAの身体から身を離し、Aはようやく自由になった。
「(た、助かった)」
ほっとする彼女を尻目に、三成は最後の追い打ちをかける。
「返事は後で聞く。それまで考えていろ」
「は、はい……」
言葉を残して三成が去って行ったあと、Aは気が抜けたのか前のめりになってうずくまった。
未だ心の臓は煩く鳴っている。
畳のい草の匂いを深く吸って、口から大きく息を吐いた。
「妙な体勢よの。腹でも壊したか？」
障子の方で再び声がする。
はっとしたAは、先程の状況を救ってくれた
「刑部様……」
「おぉどうした、そのように顔を赤らめて。もしや泣いておったのか？」
Aの隣に神輿を下ろした刑部は、彼女の背を撫でる。
「刑部様……私、どうすればいいのでしょう」
「三成から八つ当たりでもされたか？あやつの事よ。主がそう気に病む必要は無い」
「八つ当たり？いえいえ、違います。三成様と左近様から想いを打ち明けられたのです」
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三楓(プロフ) - みさきさん» コメありがとうございます(*´∀｀*)私の作品を大好きだと言っていただけて嬉しいです！これからも更新頑張ります！ (2018年6月21日 20時) (
レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
みさき - すごくこの作品大好きですっ！！これからも更新、頑張ってください。応援してます！！ (2018年6月21日 0時) (レス) id: b562f041ed (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 紫月姫さん» 此度も私の作品を見てくださってありがとうございます！そのようなお言葉をかけて頂き凄く嬉しいです(＞＜。雨や涼しい気候の日は調子がいいようなので、体調を見ながらゆっくり更新していきたいと思います(*´∀｀*) (2018年6月6日 23時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
紫月姫(プロフ) - 喘息大丈夫ですか？ムリせず治療に専念してくださいね？続きはゆっくり待ってます♪(*≧∀≦*) (2018年6月6日 9時) (レス) id: 9da1b7754e (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 長浜美咲さん» 初コメに温かいお言葉ありがとうございます！治療に専念しつつ、完治した際には以前のペースで更新出来るよう頑張ります。それまで今しばらくお待ちいただけると嬉しいです(￣^￣゜) (2018年6月2日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三楓 | 作成日時：2018年5月7日 0時
