奪還 ページ36
私はAを探していた。
今頃左近と楽しげに話しながら城下を歩んでいると想像しただけでも腹の中が煮え滾る。
刑部も刑部だ。何故Aに頼む？他に人はいるだろうに。
ようやく見つけたAはやはり左近と共に行動していて、さっさと連れ戻そうと近づいた瞬間、左近がAに顔を近づけ口付けをした。
…………は？
違う。あれはきっとAの顔に何か付いていたのだろう。
そうだ。きっとそうに違いない。
私の目の前で、Aを奪うなど、あるはずが……。
段々視界が狭まる。
余計なことを考えないように、私を見つけたAだけをじっと見ていた。
Aは、私のモノ。
だから、奪われることも、逃がすこともさせない。
奪われる前に奪って、逃がす前に捕まえた。
「あぁ三成様、軍議が終わったんッスね。ってかA解放してくれます？今俺ら取り込んでて……」
「黙れ」
Aが手にしていた帳面を取り、私はそれを左近に押し付けた。
「Aを誑かした罰だ。貴様がこの務めを果たせ。二度と私のAに誤解を与えるな左近」
左近は納得がいかなさそうに顔をしかめていたが、それを叱れるほどの余裕はない。
今有している怒りだけでも抑えるのが精一杯だった。
怒りを飲み込んで、Aのぐいっと引く。
「行くぞA」
「ですが情報収集は私が頼まれて……」
「私の言うことが聞けないのか」
腕を掴む力を強めると、Aは一瞬顔を歪ませすぐに「分かりました」と返事をした。
……先程の光景のせいでAと何を話したかったのかすっかり忘れた。
今は怒りの感情しかない。
叫びたい衝動に駆られる。
だがこの感情もきっと、Aが癒してくれる、はず。
私に腕を引かれるAへと視線を向けた。
強く握っているせいで赤くなったAの腕は、見るからに痛々しい。
それでも私は力を緩めない。
許せA。
今の私はこの憤怒を抑えられそうにない……。
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三楓(プロフ) - みさきさん» コメありがとうございます(*´∀｀*)私の作品を大好きだと言っていただけて嬉しいです！これからも更新頑張ります！ (2018年6月21日 20時) (
レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
みさき - すごくこの作品大好きですっ！！これからも更新、頑張ってください。応援してます！！ (2018年6月21日 0時) (レス) id: b562f041ed (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 紫月姫さん» 此度も私の作品を見てくださってありがとうございます！そのようなお言葉をかけて頂き凄く嬉しいです(＞＜。雨や涼しい気候の日は調子がいいようなので、体調を見ながらゆっくり更新していきたいと思います(*´∀｀*) (2018年6月6日 23時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
紫月姫(プロフ) - 喘息大丈夫ですか？ムリせず治療に専念してくださいね？続きはゆっくり待ってます♪(*≧∀≦*) (2018年6月6日 9時) (レス) id: 9da1b7754e (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 長浜美咲さん» 初コメに温かいお言葉ありがとうございます！治療に専念しつつ、完治した際には以前のペースで更新出来るよう頑張ります。それまで今しばらくお待ちいただけると嬉しいです(￣^￣゜) (2018年6月2日 22時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三楓 | 作成日時：2018年5月7日 0時
