最後の文章★ ページ5
Aから返事が来た。
早く内容を読みたくて、微かに緊張で震える手を抑えながら刑部から文を受け取った。
左近「大阪から…あ、Aさんとか!」
刑部「左様であろう。返事が来たようよの」
左近「返事ってことは…三成様、Aさんに文出してたんっすか!返事はなんて?見せてくださいよー!」
刑部「やれ左近、まずは三成に読ませてやれ。その後に我らも見ようではないか」
三成「何を見る前提でいる。見せんぞ」
これは私宛の文だ。
誰でもない、Aが私にくれた文なのだ。
そう独占欲を燃やしながら、私は文を開いた。
Aの文字を見るだけでも胸が締め付けられそうになる。
『お忙しいのにわざわざ文をありがとうございます』から始まった文章を私はいつものように流し読みではなく、一つ一つ丁寧に読んでいった。
内容を見るだけでも愛おしいのに、『どうか無事に帰ってきてください』という文章は特に私を幸福感で満たしてくれた。
なんとも言えない。
なんと表現していいかも分からない。
ただただ、愛おしさが溢れてくる。
左近「いかにも妻って感じっすね!」
刑部「初よの」
文に気を取られていた私は、背後で刑部達が見ていた事に気が付かなかった。
三成「き、貴様ら…勝手に見るな!」
この文章はAが私に書いたもの。
いわば、私だけを思って書いたものだ。
いくら刑部や左近でもその内容を見せるわけにはいかない。
いや、見せたくなかったというのが本音か…。
とにかく最後までAの優しさを感じさせろ!
溜息をついて私は再びAの最後の文章を読んだ。
最後の文には一体なんと言葉が…
『もし竹千代君が生きているのであれば、よろしくお伝えください』
…何故だか先ほどまであった幸福感が一瞬にして崩れていくような気がした。
私だけを思って、書いてくれたのではない…。
最後の最後で、他の…しかもAに会いたがっている男の名を…。
幸福感とは似つかない激しい嫉妬が、私の身を焦がす。
気が付けば、その文を左近に押し付けていた。
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三楓(プロフ) - 星砕さん» 返信が遅れて申し訳ございません。最後まで閲覧頂きありがとうございます!主人公にとっては中々残酷な結果となってしまいましたが..( ̄▽ ̄;)こちらこそ楽しんでいただきありがとうございました! (2020年8月15日 23時) (レス) id: 6c61a6d02b (このIDを非表示/違反報告)
星砕(プロフ) - はじめまして。本日一気に読ませていただきました。とても面白かったです!先の読めない展開に終始ドキドキしっぱなしで…………最後のシーンは「あ!そうなる!?」とびっくりしてしまいました笑。素敵な作品をありがとうございました (2020年8月13日 21時) (レス) id: 567175ed17 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - SAKINAさん» コメありがとうございます!最後まで読んでくださりありがとうございました(*´∀`*) (2017年10月30日 10時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
SAKINA - みっちゃんなら遣りかねない物語ですね。ヒロインの生き死に胸を鷲掴されました。読みごたえ十分です、どうもありがとう。 (2017年10月5日 20時) (レス) id: c9c7499e31 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - SCP-114514さん» コメありがとうございます!最後まで読んでくださりありがとうございましたヽ(*´∀`)ノ (2017年9月10日 12時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2017年8月29日 16時