戦 ページ49
半兵衛「なんとか落とされた砦は取り返した…。後は織田との全面対決だ。今夜は全員、身を休めるように」
織田から取り返した城には、傷を負った兵や次の出陣に備えて仮眠をとる者と様々だ。
そんな城内を出て、三成は闇に揺らめく松明を見ながらため息をついた。
刑部「やれ三成、先陣で疲れたか？」
城をわざわざ出て松明を見ていた三成に、神輿に乗った刑部が語り掛けた。
三成「いや、Aに少し帰りが遅くなると言っていたが少しどころではないなと」
刑部「なるほど、つまりA殿が気になって夜も眠れぬと」
三成「気になって仕方ないな」
眉間を抑え、三成は再び溜息をついた。
刑部「では文でも書いてみるがよかろ。花でも添えれば喜ばれると思うが？」
三成「私がそんなことするとでも？」
刑部「ふむ。では誠に主は松明を見るためだけに外に出たのか。しかし妙よの？主の手に握られているその花は一体何を意味するのやら」
刑部はニヤニヤと包帯越しで三成の様子を伺った。
確かに三成の手にはよく見ると小さな花らしきものが握られている。
三成「……煎じると薬草になるらしい」
しばらく間が空いて、三成は精一杯誤魔化した。
刑部「そうかそうか。もしA殿に送るのであれば我はこの花が良いと思うがのー」
三成「いやAにはこれが…」
はっとしたときには既にぼろが出た後だった。
嵌められたと沈む三成に刑部は「主は誠に嘘をつくのが下手よの」と笑いだす。
刑部「そう落ち込むな三成。主が選んでこそ意味があるというもの」
三成「嵌めておいてよく言う」
刑部「すまぬなァ。昨日利休ともめたという話を聞いておった故、A殿の事で何か言われ落ち込んでおると思うたのよ。その心配は無用であったかな？」
三成「誤解は解けた。世話を焼かせたな刑部」
友人である三成の政略結婚に刑部も少なからず心配していたのだろう。
普段きつい物言いで他人に対しても誤解を招きやすい彼が、果たして全く面識のない相手とうまくいくのかと。
何かあった際は自分が間を取り持とうと考えるほどに。
刑部「上手くいっているのであれば我の肩の荷もおり…」
「で、伝令伝令！」
突然響いた兵の声に城で休んでいた豊臣全兵士に緊張が走った。
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三楓(プロフ) - みつさん» コメありがとうございます(*´∀｀*)更新頑張ります！ (2017年8月15日 21時) (
レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
みつ - 面白いです。これからも更新頑張ってください。楽しみに待ってます！ (2017年8月15日 17時) (レス) id: c881b9ad42 (このIDを非表示/違反報告)
彩月いろは(プロフ) - 三楓さん» ありがとうございます！ (2017年8月8日 20時) (レス) id: 676cb16bcb (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 彩月いろはさん» コメありがとうございます(*´∀｀*)猿飛佐助オチですね！内容作成にしばらく時間がかかると思いますが、前向きに検討させて頂きます。 (2017年8月8日 20時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
彩月いろは(プロフ) - 三楓さん、お気に入り作者100人、おめでとうございます！そこで小説のリクエストなのですが、猿飛佐助オチを書いてほしいな･･･と思いますが出来ますでしょうか？ (2017年8月8日 20時) (レス) id: 676cb16bcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三楓 | 作成日時：2017年7月15日 11時
