失せ物【島左近】 ページ14
「あれー?おかしいな。確かこの辺りに...」
小田原城の周囲を彷徨う男を観察しながらAは「これは敵襲に違いない!」と小太郎に断言した。
A「何かを探すふりをして城の弱点を見抜こうとしているのかもしれない!早速いたず...策を考えないと!」
久々からかい甲斐のありそうな人材を見つけたのはさて置き、Aは腕を組んで策を考える。
小太郎「【極端に考えて、本当に探し物をしているだけなのでは...?】」
A「甘い!甘いよ小太郎!二丁目のみたらし団子並に甘い!あっ...みたらし団子...」
そう言えば昨日、Aは好物のみたらし団子を氏政に食べられてショックを受けていた。
例えで無意識にみたらし団子が出る程引きずっているのだろう。
先程まで意気がっていたAのテンションは一気にただ下がりだ。
A「あー!なんだか無性にみたらし団子が食べたくなってきた!あの不審者追い出したら二丁目の店行くよ小太郎!」
小太郎「【追い出す策は思いついたのですか?】」
A「ふっ、私を誰だと思っている。不審者見つけて三秒で思いついたわ!」
いや、貴方さっきまでみたらし団子の事しか考えてなかったでしょ?というツッコミはさて置き。
Aは足元に落ちていた白い石を拾う。
A「これが貴方の探し物ですと差し出せば直ぐに帰るはずだ!」
小太郎「【ただの石のようですが?】」
A「ふっ、まあ見ててよ」
そう言うとAは探し物をする男の元へ向かった。
A「探し物か?」
「ん?あぁ、ここに来た時に俺の相棒落としちゃってさ...。城の人?」
A「私はここの領主(になる予定)の者だ!お主の探しているものはこれだろう?」
そう言ってAは、手のひらの上に乗せられた白い石を男に見せた。
A「石にしか見えないだって?これはな、正直な者にしか見えない術がかけられて...」
「あー!あった俺の賽!」
A「そうかお前見えな...え?」
男はAが持っていた白くて四角い石、賽子を大事そうに手に取った。
「ありがとな嬢ちゃん!あ、ちなみに俺島左近って言うんだ!また今度礼をさせてくれよ!じゃあな!」
上機嫌に帰って行った左近の背を唖然としたまま見送ったAはその後、悪戯が失敗した腹癒せに二丁目の団子屋のみたらし団子をある分食べ尽くしたという。
翌日お腹を壊したことは、言うまでもない。
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天里三笠(プロフ) - どういたしまして (2018年1月10日 16時) (レス) id: b5fd42ea38 (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - 天里三笠さん» 誤字の指摘ありがとうございますm(_ _)m訂正しました。 (2018年1月10日 16時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
天里三笠(プロフ) - こんにちは。漢字のミスです。幼少期のストーリーで、何かの表紙に助けたわけでもない、のひょうしは拍子、です。 (2018年1月10日 13時) (レス) id: b5fd42ea38 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 佐助君のノリ&ツッコミ、面白かったです^_^最後、佐助君が可愛そうな気が・・・・・。楽しくて、サクサク読めました^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2017年11月7日 21時) (レス) id: 955180b2fd (このIDを非表示/違反報告)
三楓(プロフ) - まゆさん» コメありがとうございます(*´∀`*)更新頑張ります! (2017年10月18日 23時) (レス) id: ed4329dbeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三楓 | 作成日時:2017年7月8日 23時