絆されない ページ29
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久しぶりに開けた窓から入り込む外の空気を思いっきり吸い込む。
すぐしてガチャリと部屋の扉が開かれ、２つの器を持ったホークスが入ってきた。
「病み上がりだし蕎麦にしてみました〜」
テーブルに置かれた器の中を覗き込むと、真ん中に黄色い卵が乗った月見そば。ネギやかまぼこなんかもトッピングされてある。
いただきますと箸を持ち、先に出汁を味わう。
次に蕎麦を掬い少しの音を立てて口に吸い込んだ。
「美味しい。沁みる…」
ほっと息をついて後ろのベッドにもたれかかると、ホークスは「よかった」と自分も箸を進めた。
全く料理できなかったやつが、この短期間で人のために料理を作れるように…
「教えた甲斐があったもんだなぁ」
「ん、なに？」
「ちょっと感動してる」
「なにそれ」
蕎麦はあっという間に無くなり、ごちそうさまとお礼を言えばホークスははぁいと言いながら器をまとめ始めた。
当然のように片付けしてくれて、私には何もしなくていいよと言う。なんだか甘やかされている気分だ。
なんていうか、絆されて…
「絆されてくなぁって思った？」
ぱちくりと、ホークスと目が合い目を見開く。
ふふんと細められた黄金色の目に対し、ムッと顔を顰めた。
「絆され、…ないし」
「あははっ、ちょっとは俺のこと見直してくれたかなぁって思ったんだケド」
「感謝はしてる。でも私あんたのこと好きじゃない」
「きびしーなぁ」
それでもホークスは嬉しそうにして立ち上がり、片付けのため部屋を出て行った。
再度ひとりになった部屋で風を浴びる。
空気の入れ替わった部屋を見渡すと、3日前の自分がホークスにとった行動を思い出す。
みっともない姿を見せてしまった。というか屈辱に近い。
はぁと深いため息を吐いてベッドに寝転がるともう一度ホークスが戻ってきた。
「もう学校は来れるの？」
「あ、うん。行けると思う」
「よかった」
ベッド横に座り込むホークス。
「Aちゃんが前の席にいないと授業中暇なんだよ」
「ずっと髪いじるもんね」
「うん、好きなのコレ。ふわふわで」
そう言って髪を撫でられる。
それをじっと見ていると、ホークスはふふ、と笑みをこぼした。
「なに？」
「Aちゃん大人しいなぁって。いつもは噛み付いてくるのに」
「…別に動くのが面倒なだけ」
無愛想に答えれば、そっかぁとホークスは笑った。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (12月24日 1時) (
レス) @page38 id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
San(プロフ) - めちゃめちゃ好きな作品なので続きが見たいです（ ; ; ） (2023年3月1日 8時) (レス) @page32 id: b5216021f9 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた - えっえっお願いしますみたいです大好きです (2023年2月13日 0時) (レス) @page38 id: 1bebe7d5ab (このIDを非表示/違反報告)
sana＊(プロフ) - もっちさん» わぁあありがとうございます😭もう作品が逸れ過ぎて収拾つかなくなってますよね😢笑 しかも最近また新しい幼馴染同級生ネタも浮かんできてて😂しばらく更新出来ておらずすみません！そろそろ気合い入れて進めます！💪 (2022年9月9日 19時) (レス) id: 35c21c90ed (このIDを非表示/違反報告)
もっち - 同級生設定のホークス嬉しすぎていつも楽しく読ませて頂いております！続きがとってもとっても気になるので少しずつでも書いていただけたらなぁと思います…。物語って考えるのも難しいし時間もかかるでしょうし大変だと思いますが、応援しています！頑張ってください！ (2022年9月2日 4時) (レス) @page38 id: 77bce02d1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sana＊
| 作成日時：2021年10月12日 11時
