登校 ページ13
.
次の日の朝。
いつもより早めに目が覚めた私は、二度寝したい気持ちを抑えてベッドから起き上がり支度を始めた。
耳を仕舞い込み丁寧に髪をブラッシングする。
朝ごはんも済ませ時計を見るとまだ7時30分。
「たまには早く行くかぁ」
いつもより30分も早く着替えて部屋を出る。
エレベーターに向かうと、どうやらタイミングよく降りてくる人がいたらしい。
すぐに開かれたドアの向こうには朝からうるさい真っ赤な羽を見せる男が乗っていた。
「げっ」
「開口一番ソレはやばくない？おはよ」
昨日の今日だね〜と笑うホークス。
乗り込もうとした足を止めて急いで踵を返そうとした瞬間手を引かれエレベーターの中に連れ込まれた。
「なんで逃げようとするん」
「階段で降りようかと」
「そんな避けんでよ。さすがに傷付く」
「…それはごめん」
掴まれていた手を振り解き少し距離を取る。
はぁ、なんだって朝から顔合わせにゃいかんのだ
「てか早くない？いつもこの時間？」
「そうだよ。Aちゃんこそ珍しいね」
「珍しく早起きしたから」
「あぁ、朝苦手なんだ」
いつもへらついた笑いをしているホークスは、今はなんだか穏やかに見える。朝のせいだからか。
一階に到着しそのまま寮を出る。このまま一緒に登校してしまうような流れでなんか気まずい。
チラッとホークスを見た瞬間、いきなりホークスに肩を抱かれグイッと寄せられた。すぐして後ろから車が通り過ぎる。
「こっち歩いて。危ない」
自然と車道側に回るホークス。
こういうとこ、慣れてんなぁ
「…女扱いすんな」
「女の子でしょ。まぁ確かにAちゃんって俺の前では結構男っぽいけど。なんで？」
「あんたに女見せる必要ない」
「気許してくれてるってコト？」
「違ぇわばか」
そんなこと話しながら歩いてると、あっという間に駅に着いた。
2人同時に改札を通る。
エスカレーターを上がってホームに出れば、ホークスはそのまま目の前の列に並んだ。
それを無視して私は右側に歩き出す。
「どこ行くの」
「女性専用車両。座りたい」
「そういう時だけ女使うんずるか！！」
ホークスの隣の列に並んでドヤ顔で返すと、ホークスはうわぁとジト目で見てきた。
間もなくして電車が到着。中を見ると満員。
ぎゅうぎゅうに押されながら隣の車両のホークスを見れば、残念でしたと言うようにニヤニヤ笑っていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 491人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (12月24日 1時) (
レス) @page38 id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
San(プロフ) - めちゃめちゃ好きな作品なので続きが見たいです（ ; ; ） (2023年3月1日 8時) (レス) @page32 id: b5216021f9 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた - えっえっお願いしますみたいです大好きです (2023年2月13日 0時) (レス) @page38 id: 1bebe7d5ab (このIDを非表示/違反報告)
sana＊(プロフ) - もっちさん» わぁあありがとうございます😭もう作品が逸れ過ぎて収拾つかなくなってますよね😢笑 しかも最近また新しい幼馴染同級生ネタも浮かんできてて😂しばらく更新出来ておらずすみません！そろそろ気合い入れて進めます！💪 (2022年9月9日 19時) (レス) id: 35c21c90ed (このIDを非表示/違反報告)
もっち - 同級生設定のホークス嬉しすぎていつも楽しく読ませて頂いております！続きがとってもとっても気になるので少しずつでも書いていただけたらなぁと思います…。物語って考えるのも難しいし時間もかかるでしょうし大変だと思いますが、応援しています！頑張ってください！ (2022年9月2日 4時) (レス) @page38 id: 77bce02d1c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sana＊
| 作成日時：2021年10月12日 11時
