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名前 ページ18

太宰さんの言葉に、私は反応出来なかった。それは、慶も同じだったようで。

「え?太宰君、何を・・・。」
「いや、アルセナール・Kさえも仮初めの姿だろう?さて、君の本当の名前を言ってごらん?」
太宰さんの言葉に慶は黙ってしまった。
「何言ってるの、太宰さん!彼の異能はKの異能とは違う。だから・・・!」
「そうですよ、太宰君。僕の異能力は死人との記憶を蘇らせる能力で・・・。」
その言葉に太宰さんは静かに首を振った。
「じゃあ、聞いてみようか。もし、葬儀屋が君と同じように人工異能力を持っていたら?異能力が二つあったとしたら?」
その言葉に私は絶句してしまった。ないとは言い切れない。
「例えば、死人との記憶を蘇らせる能力と、死人を操る能力。二つあってもおかしくない。」
その言葉に慶は黙ったままフッと微笑んだ。
「君の妄想だよ、太宰君。僕には異能力は一つしか備わっていない。だから、」
「じゃあ質問を変えよう。君は葬儀屋じゃないね?」
その言葉に慶が反応する。
「君は闇に紛れて仕事をする。殺し屋だね?」
思わず私はえっ?と声をあげた。だって、こんなに優しい人が殺し屋だなんて・・・。
「そんなわけないですよ。太宰さん、彼はこんなに優しいのに!」
私が言った時だった。慶は楽しそうに微笑んだ。
「言ったでしょう?それは太宰君、あなたの妄想だ。」
慶が言った瞬間、太宰さんは急に微笑んだ。
「ああ。私の妄想だよ、軽くふざけてしまった。」
太宰さんが笑っているので、私も安心した。
「変な冗談は止めてください。では、僕は仕事がありますので。」
そう言って慶はお辞儀をし、歩き出した。
「ところで、朝倉白哉君?」
太宰さんが謎の名前を口にした。その名前に慶が振り返ったのだ。
「それが君の本当の名だ。慶はお兄さんの名前だね?」
慶はゆっくりと太宰さんを振り返った。そして、ニコリと微笑んだ。
「もう、無理だよね・・・。じゃあ、正解って言ってあげるよ。」

白哉の過去→←失われた記憶



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霧雨こころ(プロフ) - うぇ!?おけです (2021年7月26日 17時) (レス) id: d062be7a2d (このIDを非表示/違反報告)
霧雨こころ(プロフ) - 世河経さん» え?あ・・・!ありがとうございます!なんかコメントに慣れてないのでとても嬉しいです!世河さんも頑張って下さい! (2020年12月11日 20時) (レス) id: d062be7a2d (このIDを非表示/違反報告)
世河経 - 世河も書き始めました!こころ先輩も更新頑張ってください! (2020年12月11日 19時) (レス) id: efa854360c (このIDを非表示/違反報告)
霧雨こころ(プロフ) - 太宰さんを病的に愛して止まない九州の個体さん» ありがとうございます。少しサボり気味ですが頑張って更新します。 (2020年10月1日 21時) (レス) id: 87155e6e69 (このIDを非表示/違反報告)
太宰さんを病的に愛して止まない九州の個体 - 面白かったです。お陰様で私も書きたくなりました。これからも頑張って下さい (2020年10月1日 8時) (レス) id: ce4dcee94e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霧雨 こころ | 作成日時:2020年5月11日 11時

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