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アルセナール・K ページ14

ほとんど証言がないじゃない・・・。そう思いつつ愛華はじっと報告書を見つめた。

「このアルセナール・Kは・・・異能力者・・・?」
愛華が中也に尋ねる。
「ああ、そう見て間違いはねぇ。死んだ奴が生き返るとか・・・変な事思い出すな・・・。」
中也が呟く。愛華は驚いたように中也を見た。
「死んだ人に会った事あるの?」
「ああ、一度だけな。ある事件を解決した時だ。ある異能力者の異能力・・・それは取り込んだ死体を異能力で操ることができるものだった。」
中也が言った。
「じゃあきっとその異能力者が犯人ですよ!」
愛華が言ったが・・・中也は首を振った。
「それはありえねぇ。その異能力者は俺が殺した。」
その言葉に愛華は少し驚いたように瞠目した。それでも、深く追求せずに、「そう。」とだけ答えた。その時だった。
「中也、あれ見て!」
愛華がある墓地を指差した。みると、墓地の横にある廃墟でマフィアの構成員が銃を乱射していた。乱射されている者がゆっくりと建物から出てくる。黒い帽子に黒いマント。黒い仮面。帽子から綺麗な白銀の髪が風に揺れている。
その者は、腕をサッと横に振った。次の瞬間、建物からマフィアの構成員たちが一斉に出て来た。だが、全員が血まみれで肌は土色だ。
「アルセナール・K・・・!」
中也が呟き、ギュッと拳を握る。そして、走る前のように身構えた。
「お前もついてこい。」
そう言って中也は地面を蹴った。異能の効果で中也はKの前まで跳んだ。愛華も慌ててコピーした異能で中也の後を追う。中也は構成員とKの間に入った。
「テメェがアルセナール・Kだな・・・!俺の仲間を殺した・・・!」
中也が言うと、Kは仮面の目の位置にあいた穴から中也をじっと見つめた。そこに愛華も追いつく。
「それについては申し訳ないと思っています。」
その声を聞いて愛華は目を丸くした。まだ幼さが残る声だった。
(私と・・・歳が近い・・・?)
「ごめんなさい。僕は、急ぎますので。」
そう言ってKは勢いよく跳躍した。そのまま廃墟の屋根に着地し、他の家の屋根を駆けて消えてしまった。Kが消えた瞬間、血まみれの構成員たちはバタバタと倒れる。最初から死んでいたようだ。Kの異能力は死人を操る能力らしい。
「クソッ!」
中也が悔しそうに体を震わせていた。

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霧雨こころ(プロフ) - うぇ!?おけです (2021年7月26日 17時) (レス) id: d062be7a2d (このIDを非表示/違反報告)
霧雨こころ(プロフ) - 世河経さん» え?あ・・・!ありがとうございます!なんかコメントに慣れてないのでとても嬉しいです!世河さんも頑張って下さい! (2020年12月11日 20時) (レス) id: d062be7a2d (このIDを非表示/違反報告)
世河経 - 世河も書き始めました!こころ先輩も更新頑張ってください! (2020年12月11日 19時) (レス) id: efa854360c (このIDを非表示/違反報告)
霧雨こころ(プロフ) - 太宰さんを病的に愛して止まない九州の個体さん» ありがとうございます。少しサボり気味ですが頑張って更新します。 (2020年10月1日 21時) (レス) id: 87155e6e69 (このIDを非表示/違反報告)
太宰さんを病的に愛して止まない九州の個体 - 面白かったです。お陰様で私も書きたくなりました。これからも頑張って下さい (2020年10月1日 8時) (レス) id: ce4dcee94e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霧雨 こころ | 作成日時:2020年5月11日 11時

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