反撃の狼煙 ページ44
「ってえな! 何すんだよ」
殴られた頬を押さえて叫んだ爆豪の胸ぐらを掴む。
「なぜあんなこと言った!? なぜあそこで! わざわざ口にだす必要なんてなかっただろ!!」
爆豪が舌打ちをする。
「本当のことだろ。それとも何か? 土に埋めて腐らせとくのか」
冷たく笑う彼に掴む手が震える。
「まだ腐った方が良かった! あいつが傷つくよりずっと……
謝れよ。Aに謝れよ!」
「うっせーな!」
立ち上がって常闇を突き飛ばす。窓の方へ机と共に倒れ、女子の悲鳴が教室に響いた。
「お前、誰に口出してんだ」
壁にもたれて咳き込む常闇の胸ぐらを今度は爆豪が掴む。
「俺にケンカ売り込むとはいい度胸だな。個性でも相性悪いのによ。
これだけやんのはAのためか? それとも単にヒーローごっこか」
常闇は歯をくいしばってにらみつける。
「俺は、どっちもだ!」
「違うだろ!」
ボン、と爆発音が鳴る。その後爆豪は哀れみの表情を見せた。
「恋は盲目と言うが本当だな。好きだからAが話せないことも良く見えるんだろ」
「……好きではなかったとしても、俺はあいつを見捨てたりはしない。無いからって揚げ足を取るのは間違っている!」
爆豪は腕をあげる。
「お前まで目をそらしたら、あいつはずっと夢を見続けるんだぞ!」
ひるんだ常闇の顔へ爆発をいれようとしたが、すんでのところで黒影が教室後方へ引っ張り逃げられた。
仰向けの常闇に覆い被さり肩を押さえる。机に足を強打していた常闇は力を入れて反抗することもできなかった。
「このまま嘘ついてたってな、いいことなんてねえんだよ。誰にも」
手を伸ばすと爆豪の髪を掴んだ。
「お前に、何が分かるんだ。どれだけAが頑張ってきたと思ってる。Aは俺たちの何倍も努力してここにいるんだぞ。それを全部否定するのか。
なあ、あいつの居場所を奪って何が楽しいんだよ!
自尊心で驕り高ぶるな! Aに謝れ!」
「ごちゃごちゃしゃべんじゃねえよ!」
爆豪は勢いよく常闇の顔面を殴った。
そのとき女子たちが呼んできた相澤先生が入ってきた。
──すでに常闇は気絶していた。
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ちづる(プロフ) - いきなりリプ失礼します。キャラクターたちの心情や常闇くんの優しさ、夢主ちゃんの考え方めちゃくちゃ好きだと思いました。続編が読みたいのが本心なのですが... (2021年5月10日 5時) (レス) id: 97693b4be7 (このIDを非表示/違反報告)
ホープローズ - 速報!本日は私、ホープローズの誕生日なのでヴィラン連合・プロヒーロー・ヒーローの卵達からの祝いの言葉を貰いたいです。お願いします。 (2019年8月23日 12時) (レス) id: 681e9ae1c6 (このIDを非表示/違反報告)
はづき(プロフ) - 常闇くん。常闇くん。ホントに好きです。大好きです。最高かよ( ˙-˙ ) (2019年7月31日 12時) (レス) id: 6ca8581b98 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - んぱ(・-・)!← (2019年6月18日 22時) (レス) id: 779ef83f8c (このIDを非表示/違反報告)
響香(プロフ) - 常闇くんチョー好きです!これからも宜しくお願いします! (2019年6月12日 17時) (レス) id: b61ceed5ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蔦虎 | 作成日時:2018年4月22日 0時