アシャ ［ヒロアカ］

戦闘演習１ ページ5

「えー、これから戦闘演習を始める」

「先生！」(ビシッ

「なんだ、飯田」

「戦闘をするのになぜ僕たちは制服なのですか？」

　目の前には壊れかけたビルがあるが、全員制服姿だった。

「それはお前たちの演習じゃないからだ。千里、準備できたか」

　呼ばれたAはヒーローコスチュームに着替えていた。裾がヒラヒラしたチャイナに、もこっとしたハーフパンツで常闇は思わず目をそらした。

　見事。かわいい。三つ編みだから更にチャイナ感が……

「今から、千里にテストを行い力を測る。お前たちはモニターで見学だ」

「そんなことしてられっか！ 俺がこいつの相手してやる！」

「うるさい爆豪。演習はしないが訓練はするぞ。千里の個性を当ててみろ」

　えっ、とＡ組は声をあげた。

「あ、あれ？ 個性聞いてなかっ……あれ？」

「大丈夫麗日さん！？ たぶん僕たち聞いてないよ。相澤先生は紹介のとき、千里さんが話せないことだけ言っていたから」

「もう分かってたもんだと……」

「ヒーローたる者、相手の個性を瞬時に判断できないと命取りだ。今日はその訓練としてこいつの行動から何の個性か考えろ」

(俺は知ってるがな)

　常闇はそう思ったが、口にする気はなかった。

「なお、当てたやつには後日食堂にてプリンを贈呈する」

『なぜプリン！？』

「文句あるか」

『いえ！』

「でも、これデクくんが有利じゃない？ ヒーローの情報いっぱい持ってるから」

「いいいいや！？ 麗日さん変な期待しないでよ。さすがに、見ただけで何の個性か分かるわけ……」

「確かにそうだな。緑谷君、プリンを手に入れるためにがんばりたまえ！」

「なんで僕のこと応援してるの飯田くん！ てかみんな当てる気ないの！？」

「じゃあ始めるぞ。千里、中に入れ」

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