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紅茶後の見定め ページ33

「まさか、あの子が友達を連れてくるなんてね。初めてのことだわ」

 えっ、と顔をあげる。

「初めて、ですか」

「ええ。でも、それだけあなたを信頼しているということね……どうしてあの子と関わっているの?」

 常闇は目を見開いた。

「あの子は人並みの能力、そう声を持っていない。自分の気持ちを伝えられないからすれ違いもあるはず。イジメの対象にも何度もなったわ。

 なのに、なぜ?」

 少しの間黙っていた常闇だが、おばさんの目を見据えるとはっきり言った。

「あいつが、Aが、俺を自分のヒーローだと言ったからです」

 今度はおばさんが目を見開く。

「Aは、俺が助けたことをずっと覚えていた。俺は忘れていたのにずっと追いかけてきてくれた。

 誰かのヒーローになっていた……それが嬉しかった。

 だからAを守りたいと思ったんです」

「……だとしてもよ。あの子と一緒にいるとろくなことないでしょ。一つでも欠けているとバカにしてくる人間たちよ。あなたにも飛び火がかかってきてるんじゃない?」

 ───物間、それにクラスのみんな。

 俺のことも避け始めているのは薄々感づいていた。

「確かに、そうです。ですがAの痛みに比べれば痛くもかゆくもない。


 一番傷ついているのはAなんです。


 俺は、Aにヒーローと呼ばれた。ならばそれ相当のことを彼女にしたい。

 Aの手をとるぐらい、俺にもできます」

 小さな黒い鴉の瞳は赤く、赤く燃えていた。

 おばさんは心の中でクスクス笑う。

「きれいな目ね。まるで恋をしているみたい」

 ボッ、と効果音がでるように常闇は赤くなった。

「いえっ! その……出過ぎたことを申し訳ありません」

「いいのよ。それがあなたの本心なら、ね」

 面目なく、熱くなった顔をゆっくりさげる。

「あなたは自分の瞳に誓える? 今言ったこと、自信を持って全て」

「……はい。できます」

 おばさんはふくよかな顔でニコリと笑った。

「あなたはあの子の味方なのね。

 じゃあAのことを少しは知らないと……知りたい?」

「はい、もちろんです」

「それじゃあ、Aのスリーサイズは……」

「ひゃっ! ちょ、ちょっと待ってくださいAのお母さん! そういうことじゃなくて……」

「冗談よ、冗談。かわいい友達持ったこと。

 ところで、あなたの言葉に一つ間違いがあるわ。


 私はAの母親ではないのよ」

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ちづる(プロフ) - いきなりリプ失礼します。キャラクターたちの心情や常闇くんの優しさ、夢主ちゃんの考え方めちゃくちゃ好きだと思いました。続編が読みたいのが本心なのですが... (2021年5月10日 5時) (レス) id: 97693b4be7 (このIDを非表示/違反報告)
ホープローズ - 速報!本日は私、ホープローズの誕生日なのでヴィラン連合・プロヒーロー・ヒーローの卵達からの祝いの言葉を貰いたいです。お願いします。 (2019年8月23日 12時) (レス) id: 681e9ae1c6 (このIDを非表示/違反報告)
はづき(プロフ) - 常闇くん。常闇くん。ホントに好きです。大好きです。最高かよ( ˙-˙ ) (2019年7月31日 12時) (レス) id: 6ca8581b98 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - んぱ(・-・)!← (2019年6月18日 22時) (レス) id: 779ef83f8c (このIDを非表示/違反報告)
響香(プロフ) - 常闇くんチョー好きです!これからも宜しくお願いします! (2019年6月12日 17時) (レス) id: b61ceed5ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蔦虎 | 作成日時:2018年4月22日 0時

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