戦闘演習6(やっと終わる) ページ10
「まだ残っていたか。いいぞ常闇、お前が最後だ答えろ」
「……千里眼、です」
相澤先生は目を見開く。
「なぜそう思った」
一つ息を吸った後、本当のことを話した。
「すみません。その、昨日千里から聞いたので理由も何も、問われる前から知ってました」
無言で振り向いた相澤先生は、Aをにらんだ。Aは口笛を吹いて目をそらそうとしたが、口笛自体吹けなかったので最終的にペコペコ謝るしかなかった。
「ったく、教えるなと念をおしたはずなんだがな。これじゃあ訓練にならんだろう。
まあ、個性を聞き出せるまで仲良くなったってことか。まさかそれが、常闇だとは思わなかったが」
「……意外でしたか」
「ああ、大いに意外だ。誰もこいつの個性を聞き出せると思ってなかったからな」
「えっ、それじゃあ常闇くんの言った通り……」
「そうだ緑谷。こいつの個性は千里眼。だからロボと鉢合わせせずにすんだんだ」
すると上鳴をはじめ、A組の顔が明るくなる。
「ということは、常闇が当てたから……外周は?」
「ハァ、残念ながらナシだな」
『いやったー!!』
外周をまぬがれ、安心しきったA組は常闇とAへ群がった。
「何だよお前! 知ってんなら最初に答えてくれればよかったじゃねえか」
「そう言うな切島。緑谷などが当てられると思っていたんだ」
「僕は耳の方を考えちゃったけどね」
「いや、さすが緑谷だ。あそこまで分析できるのは称賛に値する」
「Aちゃんもお疲れ様! すごくカッコよかったよ!」
麗日に言われてAはスケッチブックの最初のページを……
スケッチブック、持ってきてない。
急に青ざめたのを見て、麗日は慌てた。
「ど、どうしたの!? 具合悪い!?」
首を振りながら、指で四角をかきペンを持つ動作をした。
「何をしているの?」
「もしかして紙とペンが欲しいのですか? 私が造ってさしあげます」
八百万が言うと、それらを手からだした。
受け取って「ありがとう」と書き二人に見せる。
「そっか、話せないから紙に書かないといけないんだね」
Aは裏面に別の言葉を書いた。
やっぱり迷惑?
「そっそんなことないよ! 大丈夫だよ、私たちは書き終わるまで待ってるから!」
そこで相澤先生の声が響く。
「授業はここまでだ。全員教室まで3分で走れ」
『えっ……』
「なお、遅れたものは次の授業メッチャ指す」
『……え?』
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ちづる(プロフ) - いきなりリプ失礼します。キャラクターたちの心情や常闇くんの優しさ、夢主ちゃんの考え方めちゃくちゃ好きだと思いました。続編が読みたいのが本心なのですが... (2021年5月10日 5時) (レス) id: 97693b4be7 (このIDを非表示/違反報告)
ホープローズ - 速報!本日は私、ホープローズの誕生日なのでヴィラン連合・プロヒーロー・ヒーローの卵達からの祝いの言葉を貰いたいです。お願いします。 (2019年8月23日 12時) (レス) id: 681e9ae1c6 (このIDを非表示/違反報告)
はづき(プロフ) - 常闇くん。常闇くん。ホントに好きです。大好きです。最高かよ( ˙-˙ ) (2019年7月31日 12時) (レス) id: 6ca8581b98 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - んぱ(・-・)!← (2019年6月18日 22時) (レス) id: 779ef83f8c (このIDを非表示/違反報告)
響香(プロフ) - 常闇くんチョー好きです!これからも宜しくお願いします! (2019年6月12日 17時) (レス) id: b61ceed5ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蔦虎 | 作成日時:2018年4月22日 0時