Unrequited Love【兵頭十座・碓氷真澄】 (ページ25)

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一週間経った夜、部屋に訪問者が。

『…どうぞ』

静かに部屋に入ってきたのは、この一週間一言も話せないでいた十座くんだった。

『…っ！！』

十「悪い。話があって来た」

『…なに？』

十座くんの顔は曇っていて、釣られて私も俯いてしまった。

十「…忘れてくれ」

『…え…？』

十「この間言ったこと、忘れてくれ」

『この間って、告白のこと…？』

予想していなかった言葉に、何も言えなくなってしまう。

十「この一週間、Aの様子がおかしくて、俺の告白で困らせたんだって思った」

『そんなこと！』

十「Aは優しいから、断れなかったんだろ。俺はお前を困らせたくない。だから、なかったことにしてくれ」

困ってないし、なかったことになんてしたくない

なのに、上手く声がでない。

十「…ちゃんと想いを伝えろよ」

それだけ言って、部屋を出ていってしまった。

違う、違うのに。

『私が好きなのは、十座くんなのに…！』

彼がいる前で言えたら、どんなに良かっただろうか。

すごく簡単なことなのに、できない。

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