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次の日、朝起きて部屋のドアを開けると
丁度目の前を通る十座くんと鉢合わせしてしまった。
『……あっ、』
十「……おす」
『……おはよ』
そのまま通りすぎていく十座くん。
変に意識してしまって目を見れない。昨日の今日で、こんなに意識してしまっている自分がいる。
『…どうしたらいいんだろう』
その後、いつものように朝ごはんをその場にいた劇団員数人と食べた。
咲「……ちゃん、Aちゃん?」
『へっ?』
気づけば心配そうに私の顔を覗き込み、目の前で手を振っている咲也くんが。
咲「ずっと上の空だけど、大丈夫?」
『う、うん!大丈夫!』
その間も、なんだか十座くんからの視線を感じてた。
でも、結局目を会わせることはできなくて、学校へ行くときも避けるようにいつもより早く家を出た。
『…感じ悪かったかな』
学校へ行っても頭の中は昨日のことでいっぱいで、授業に集中なんてできず、
気づけば一日が終わっていた。
本当はわかってる。この気持ちがなんなのか。
昨日から、真澄くんのことはすっかり頭から抜けていて、変わりに考えるのは十座くんのことばかりだ。
でも、どうしても認めることができない。
こんな簡単に気持ちが変わっていいのか
軽い女だと思われるかもしれない
そんな思いが頭の中で交差して、どうしても一歩が踏み出せない。
十座くんを自然と避けてしまう日々。
気づけば、あの雨の日から一週間が経っていた。
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Eva - 続きが気になります!楽しみに待ってます! (2019年10月7日 0時) (レス) id: a1f2b3bb01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲那 | 作成日時:2019年9月7日 22時