Unrequited Love【兵頭十座・碓氷真澄】 (ページ23)

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あの後、私は何も言えなくて

十座くんからも何を言ってくるわけでもなくて

雨が止んだ後、会話がない中、普通に二人で戻った。

寮に戻ると皆から心配されて、たくさんの言葉をかけられる中、真澄くんから視線を感じたけれど目を合わせられなかった。

お風呂に入り、自室に戻り

今日一日のことを思い出す。

すると、コンコンッとドアを叩く音がなり

開けると、そこには真澄くんが立っていた。

『…どうしたの？』

何も言わず、部屋の中に入り、ドアを閉めた。

『………？』

真「…今日はごめん」

『…へ…』

予想をしてなかった言葉に思考が止まってしまう。

まさか真澄くんに謝られるなんて。

真「アンタが雷苦手だって、知らなかった。先に帰ってごめん」

『…別に大丈夫だよ！好きな人のそばにいたいって思うのは普通のことだし…』

真「…………」

『それに、十座くんが来てくれたし！だから気にしないで！』

真「…アイツ、監督にAが雷苦手って聞いたら傘も持たずに一目散に寮出ていった」

『…十座くんが、』

真「アイツのあんなに焦ってる顔、初めてみた」

『…そうなんだ』

真澄くんの言葉に、

今日の十座くんの事を鮮明に思い出す。

そんなに私を想ってくれていることが、ただ嬉しかった。

十座くんの事を考えると、胸の奥がなんだか変な感じで。

明日会ったら、どんな顔して会えばいいんだろう。

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