16: dangerous tiger ページ39
私は何故か、その人を見てぞくりと寒気がした。初対面で、全く見覚えがなくて、彼の顔立ちは友人の言う通り綺麗に整っていて、そこまで強面という訳でもないのに。大きな紡錘形の目、ツンと上向きな鼻とふっくら形の整った唇。白い肌に浮かぶ刺青は彼の奇抜なミステリアスさを引き立たせている。
明らかに、不良。けれど、私が普段親しくしている東卍のメンバーたちともまた違う空気で、まるで命綱無しに危ない橋の真ん中にグラグラと立っているような、妙な危なっかしさを感じた。多分この直感は、当たっている。彼は少し、“ヤバい”人だ。
「……どちら様ですか」
「アハハ〜、そんなに警戒しないでよ、傷付くなぁ。キミがAAさん？思ってたより全然フツーだネ」
「えっ？A知り合いじゃないの？」
戸惑う友人に、あまりこの人と話をさせたくないなと思って、お礼とごめんねだけを言って向こうに行かせた。怪訝な顔をしていたから後でもう一度謝ろう。
「貴方は誰で、なんの用ですか。この学校の人じゃないですよね」
「うん、そーだけど。オレは羽宮一虎。マイキーのオンナってのがどんなんか見たくてさ」
ぐっと爪先に力を込めて、彼を強く見据える。この人は、多分佐野の敵だ。
「……あいにく私は、佐野とは貴方が思ってるような関係じゃありません」
「嘘ばっか。フツーの女かと思ったら、大分気ィ強そうだねオマエ。なんかそういう目付きされるとさー、」
その瞬間ばっと手首を掴まれてそのまま高く腕を捻られるようにして上げられた。さほど痛くはないが、この体制は殴られる。周りからも悲鳴が上がり、私自身も身が竦んで動けなかった。一虎、と名乗った彼は歯を見せて笑いながらこう言い放った。
「屈服させたくなるよねー？マイキーの女ならさァ、尚更」
「っ！？」
殴られるのかと思いきや、彼は私の首筋に噛み付いた。歯が肉を裂くような激痛に、声にならない悲鳴が溢れる。驚いてなんの反応も出来ない私は、誰かに後ろへと引っ張られて彼から引き剥がされた。それが誰かも分からないままへたり込んだ私の脇から「テメェ！！」と飛び出したその生徒が、彼の胸倉を掴む。
別クラスに居たはずの三ツ谷くんだった。
「一虎テメェなんのつもりだ！！コイツは東卍となんの関係もねぇだろうが！！」
「ア？うっせェのが出て来やがった、いい所で茶々入れんなや三ツ谷。オレが他校の女子ナンパしてんのとオマエ関係あンの？それともそのオンナ、オマエのオキニのセフかなんか？」
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泣蜜(プロフ) - あ.....好きです....。未来での夢主ちゃんとマイキーの関係が気になります！毎日更新楽しみにさせてもらってます！ (2021年6月6日 1時) (
レス) id: 9a006c8713 (このIDを非表示/違反報告)
おろし(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！ (2021年5月26日 17時) (レス) id: 47520b13da (このIDを非表示/違反報告)
柚香(プロフ) - 子@さぶ様の表現力素敵すぎます！マイキーかっこいい、、、続き楽しみにしております！ (2021年5月26日 10時) (レス) id: d9354e6a46 (このIDを非表示/違反報告)
あい - 更新楽しみです！マイキーの独占欲半端ないかっこよすぎる、、、 (2021年5月25日 17時) (レス) id: 800746c1bf (このIDを非表示/違反報告)
しん(プロフ) - これからの展開にドキドキします...めちゃくちゃ面白くて毎日更新楽しみにしてます！！ (2021年5月25日 1時) (レス) id: cdf270dae3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：子@さぶ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8ef4f72c271/
作成日時：2021年5月17日 0時
