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どういうことだ?炭治郎はそもそも宴会に出席すら出来ていなかった筈じゃ......途中から参加したってことかな。
だとしたら、任務から帰ってきてすぐに宴会に途中出席して、私と善逸をこの屋敷まで送ったってこと?それは、申し訳なさすぎる。どれだけ迷惑かけてるんだ、私......
とりあえず、炭治郎を見付けてお礼を伝えて、それから謝ろう。迷惑かけてごめんね、私酔っ払ってたよね、任務大丈夫だった?そんな、感じで......
ああ、なんだか、すごく炭治郎に会いたい。なんでか分からないけど、炭治郎の顔が見たい。今一体何処に居るんだろう。アオイさんに聞いておけばよかったな。
鉛のように重い体と、一歩一歩と足を踏み出す度にずきずき痛む頭をなんとか引き摺りつつ、屋敷の中を彷徨いていると、ふと覚えのある気配を感じて振り向いた。そこには屋敷の女の子たちと何やら談笑している炭治郎が居た。紅の、少し癖のある跳ねた髪と、耳から下げられた花札のような飾り。
なんだか、見ることすらとても久しぶりに感じる。早く謝らなきゃ......でも、彼女たちと話しているなら、話しかけない方がいいかな。邪魔しない方がいいかな。
なんて考えてしまって、話しかけようかかけまいかとぐずぐず迷っていたところ、私の匂いに気がついたのか炭治郎がはっとこちらを振り返った。まるで盗み見ていたような格好だったので思わずひゅうっと縮こまる。大きな瞳と視線がかち合って、たまらずそちらから視線を逸らした。
「あ、たん、炭治郎、その......昨日は、ごめんね」
なんでこんなに吃っているんだろう。炭治郎の顔を改めて見ると、この間のことを思い出して恥ずかしくなってしまう。体に口付けをされた、あの時のことを。
「アオイさんから、聞いたの。炭治郎が、ここに、私のこと運んでくれたんだよね。ごめん、覚えてなくて、私、その......ありがとう。迷惑かけてごめん、ね。炭治郎も任務帰りで疲れてたのに......」
恥ずかしさから顔を逸らした状態で謝っていたものの、ずっと目を合わさずに謝罪というのも不躾かと思い、顔を上げて彼と目を合わせた。そこで、やっと気が付いた。
______炭治郎が、冷たい目を私に向けていることに
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さざんか(プロフ) - 外で思いだすだけでキュンキュンして泣きそうになります…素敵な作品をありがとうございます!新作アンケも失礼しました…! (2020年11月14日 0時) (レス) id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 久しぶりに心から焦がれる素晴らしい作品に出会えて嬉しいです^ - ^本格的に冷え込む季節となりましたので、体調にはお気をつけてお過ごし下さいませ.更新を心待ちにしております (2020年11月13日 0時) (レス) id: e9e3f41ae9 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、めっちゃ面白いです!!すごくキュンとしますっ/// 炭治郎の態度の急変…切ないです(泣)続き気になりすぎます…!!続編も全集中で拝読したいです(*^▽^)/★*☆♪応援しております!! (2020年11月11日 2時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 更新大変だと思いますが、とても楽しみにしています。これからも応援していますね。新作アンケート…冨岡さん好きなので、お願いしたいです。 (2020年11月7日 6時) (レス) id: 91f917202d (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 久々にドキドキする話でした、、続き楽しみです! (2020年11月6日 20時) (レス) id: f83c25335c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:子@さぶ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8ef4f72c271/
作成日時:2020年10月24日 12時