立腹。 ページ44
▼*٭❀*
きらきらした朝日に瞼を射され、目が覚める。健康的に囀る小鳥が、窓から見える枝に何羽かとまっているのを、開いたばかりで滲んだ視界で捉え、暫しの間ぼーっとそれを見つめていた。
そしてある一瞬、一体ここが何処なのかどういった経緯でここに居るのかという疑問がいっぺんに押し寄せてがばっと一気に起き上がると、頭に雷のような痛みが轟いて咄嗟にそちらを抑えた。頭に鉛が入っているみたいだ、とても重い。というか、体も重い。なんとなく全身に力が入りにくい。
正直昨日の記憶が、あの男隊員に別室へ連れられたところから飛んでしまっている。まさかあの隊員の......と血の気が引きかけたが、ここが随分見覚えのある場所だということに気が付いて正気を取り戻した。ここは、......この独特の気配の屋敷は、蝶屋敷だ。
大方、私が酔い潰れて使い物にならなくなったところ、誰かにここへ運んできてもらったといったところだろう。それはあの男隊士だろうか。もしそうなら、正直あまり良い気はしないが御礼くらいは言っておいた方が良いのだろうか。というか、今は何処にいるのだろう。
それに、お世話になってしまったのだからこの屋敷の人たちにも一声かけて帰らなければ。師匠は多分まだ帰っていないだろうけど、酔い潰れた結果胡蝶様方に迷惑をかけてしまったと告白すればどんな恐ろしい修行、もとい罰則が待っているか......考えただけでも恐ろしい。早く帰ってしまおう。
重い体を引きずるようにしながら、時々よろめいて壁に手をついたりしつつ、炭治郎に前教えて貰った胡蝶様のいらっしゃるお部屋まで向かっていた。
「お出掛けですか？目覚められたなら、一声掛けてください」
「えっ」
急に後ろから凛とした声が飛んできたのでびっくりして振り向くと、そこには蝶の髪飾りをつけた青い瞳の女の子が居た。この人は、見た事がある。任務で大怪我を負ったときに手当をしてくれた子だ。たまに蝶屋敷に寄ったときに見かけていたはず。
「ごめんなさい、その......昨日私のことを介抱してくれたのって、貴方......」
「アオイです。神崎、アオイ。介抱は構いませんが、昨日は吃驚しましたよ。炭治郎さんが急に女の子を抱えて帰ってくるものでしたから」
「えっ」
「貴方を寝室に運んだ後すぐにまた善逸さんをおぶって帰って来られました。御礼なら炭治郎さんにどうぞ。何かあったらまた呼んで下さい。それでは」
てきぱきとそう言った後、彼女はすぐに行ってしまった
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さざんか(プロフ) - 外で思いだすだけでキュンキュンして泣きそうになります…素敵な作品をありがとうございます！新作アンケも失礼しました…！ (2020年11月14日 0時) (
レス) id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 久しぶりに心から焦がれる素晴らしい作品に出会えて嬉しいです^ - ^本格的に冷え込む季節となりましたので、体調にはお気をつけてお過ごし下さいませ．更新を心待ちにしております (2020年11月13日 0時) (レス) id: e9e3f41ae9 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、めっちゃ面白いです！！すごくキュンとしますっ/// 炭治郎の態度の急変…切ないです(泣)続き気になりすぎます…！！続編も全集中で拝読したいです(*^▽^)/★*☆♪応援しております！！ (2020年11月11日 2時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 更新大変だと思いますが、とても楽しみにしています。これからも応援していますね。新作アンケート…冨岡さん好きなので、お願いしたいです。 (2020年11月7日 6時) (レス) id: 91f917202d (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 久々にドキドキする話でした、、続き楽しみです！ (2020年11月6日 20時) (レス) id: f83c25335c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：子@さぶ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8ef4f72c271/
作成日時：2020年10月24日 12時
