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本音を吐き出して意気消沈のところまで来て居た私は、炭治郎の返答に対してかなり適当に流してしまった気がする。あぁ、うん。どうぞ、みたいな。あまり覚えていないし、なんなら炭治郎が私に言った言葉も正確には思い出せない。
「分かった。幸せにする」
だから、次の言葉でうんと幸せそうに優しく微笑んだ炭治郎を見て、えっなんで私がこんなに沈んでいるのに炭治郎は嬉しそうなんだろう、そんなに人の不幸に蜜の味を覚える
しかし炭治郎は次の瞬間私の手をぱっと掴んで、修行でぼろぼろになった手で握り込んだ。暖かい感触に戸惑って「うぇっ」と間抜けな声が出る。突然目の前に来た、きらきらした暗い赤の瞳にたじろいだ。
「A、Aはとても魅力的だし、自分自身を卑下する必要なんてどこにも無い。俺はAが好きだ。誰になんと言われようと、Aがなんと思おうと、俺は今のAが一番好きだ。この先変わっても一番好きだ。全部好きだ。Aが自信をなくしたら、その分だけ俺がAを褒める！A、好きだ！」
「ちょ、ちょちょちょ、なに、なん、声でか」
道の真ん中でとんでもないことを言う長男に私は引いた。道行く人は異様なものを見るような目でこちらを見ているし、通りすがりのお婆さんは「若いねぇ、青いねぇ」と微笑ましそうに言ってすれ違っていった。なんの、なんの拷問だこれは。なんの罰だ。どんな仕打ちだ。
っていうか、それって、今のは......今のは、まるで
(あ、愛の告白、みたいな)
「た、炭治郎一回落ち着いて。今自分が何言ってるか分かってる？」
「もちろん、分かってる。俺は今、Aを口説いている！！」
「なんっ、なに、あんた何言ってんの！？」
久しぶりにでかい声出したわ。こんなに大きい声出したの、師範に肋骨折られた時以来かもしれない。
訳の分からない状況に恥ずかしいという感情ではなく混乱ばかりが勝つ。この曇りなき眼の少年は、一体全体何を大真面目な顔で言っているのだろう。
「いっ、一旦家に持ち帰りますっ！！」
ずっと握られていた手をばっと引っこ抜いて全力で走り出した。気がつけば、先程まで子供に指を指されてなんだかを言われたことも頭から吹き飛んでいた。
「すきだ」の三文字ばかりがぐるぐると脳の中を駆け回り、それ以外は何も考えられなくなった。
(炭治郎は、私のことが......なに？)
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さざんか(プロフ) - 外で思いだすだけでキュンキュンして泣きそうになります…素敵な作品をありがとうございます！新作アンケも失礼しました…！ (2020年11月14日 0時) (
レス) id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 久しぶりに心から焦がれる素晴らしい作品に出会えて嬉しいです^ - ^本格的に冷え込む季節となりましたので、体調にはお気をつけてお過ごし下さいませ．更新を心待ちにしております (2020年11月13日 0時) (レス) id: e9e3f41ae9 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、めっちゃ面白いです！！すごくキュンとしますっ/// 炭治郎の態度の急変…切ないです(泣)続き気になりすぎます…！！続編も全集中で拝読したいです(*^▽^)/★*☆♪応援しております！！ (2020年11月11日 2時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 更新大変だと思いますが、とても楽しみにしています。これからも応援していますね。新作アンケート…冨岡さん好きなので、お願いしたいです。 (2020年11月7日 6時) (レス) id: 91f917202d (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 久々にドキドキする話でした、、続き楽しみです！ (2020年11月6日 20時) (レス) id: f83c25335c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：子@さぶ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8ef4f72c271/
作成日時：2020年10月24日 12時
