いつの間にか求婚を承諾していた【竈門炭治郎】

休題。 ページ29

「そういえばお前、あれ参加すんの？」


善逸との合同任務に向かう途中、彼にそう聞かれた。

しかし「あれ」が指すところが分からず首を傾げる。何か、参加しなければならないような催し物があっただろうか。


「あれだよ、なんだっけ......正式名称忘れたけど、新米隊士だけで宴会みたいな、そういうやつ。激励会みたいなやつだよ。行く？一応一番新米の俺らは基本的に参加ってなってるけど」

「あぁ、忘れてた......」


本当に、すっかり忘れていた。そういえば招待状を鎹鴉から受け取っていたのだった。まだ出席も欠席も書いていないし、決めていない。


「全然決めてなかったけど、善逸は？行くの？」

「今んとこはね。ほんとは行きたくないけどさ」

「どうして？」

「だって、どうせめいっぱい酒飲まされんだぜ俺ら、一番新入りでさぁ。吐くまで飲まされるって聞いたぜ〜、そりゃ行きたくないよ」

「お酒......」


嫌だなぁ、行きたくないなぁ。別に話したい人も話すこともないだろうしなぁ。


「善逸はなんで行くの？」

「だって、俺らの同期今んとこ炭治郎以外全員来れなさそうだからさ」

「えっ、そうなの？」

「うん。だから、さすがに面目立たないだろ？確かカナヲちゃんは、しのぶさんと長期の合同任務に行ってて帰れる目処経ってなくて、不死川は前の任務で怪我してるから欠席、伊之助は宴会で酒飲んだらどんなことになるか分からないからしのぶさんからストップかかった」

「最後だけ理由が......」


でもその判断は正しいと思う。さすが胡蝶様。


「しかも炭治郎も明後日から遠方に任務行くことになったらしくてさぁ、順調に終わったら出席する予定ってだけで確定じゃないんだよぉ......俺一人だけ先輩からいびられるなんて嫌なんだよぉ！A頼むからお前だけは出席してくれー！！」

「えぇ、そういう話か......」


まぁ確かに、同期六人中三人の欠席が確定しているなら出席しておいた方が角は立たないだろうけど。酒を飲まされるのは嫌だから適当に挨拶したら早々に帰ろう。


「まぁ、いいよ。師匠にもなるべく出席しろって言われたし」

「本当か！？良かったー！これでいざという時はAに諸々押し付けて帰れるな！」

「鬼」


そこからは私の「鬼」というワードから思い出したように「まぁ生きて帰れたらね......」「無事だったらの話ですけどね」「どうせ俺この任務で死ぬんだ」と、いつもの悲観モードに入ったので放っておいた

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