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「……A、えらいでかい子供子守りしとんな」
北さんが真顔で言い放った言葉に苦笑しか出てこなかった。北さんは、ちょっとした冗談やツッコミも全部表情ひとつ変えずに言うから冗談なのか説教なのか分からない時がある。
そして今の私の状態は、解散前に部員全員が集まる場で治くんにぎゅうぎゅうに抱き締められているという非常に恥ずかしい状態。離してと言っても「んん〜……」と曖昧に唸って額を背中にぐりぐりと擦り付けるだけ。パワー4を私1人では退けることも出来ないのでもう大人しく従っている。
「治、あんまりA困らせんな。しゃんとせえ」
「……っす」
ぶすくれた不満顔で私から手を離しつつもぴったり体は密着させたままの治くん。
北さんにじろりと見られたが、やがてふーっと呆れたようにため息をついて今後の予定のことなどを話し始めた。最後に挨拶をして解散となると、すぐにまたくっついてきた。暑苦しい。
「……治くん動きづらいから離して」
「んん〜……もうちょっと……」
「とか言って全然離してくれないでしょ……」
「だって明日から東京行ってまうやん……充電や充電」
「大袈裟な……」
すると急に手が離れて、治くんの手で振り向かさせられ、彼の顔が急に真正面にきた。びっくりして肩を硬くすると、なあ、と、少し甘い声が落ちてくる。
「キスしたあかん？」
小さな声で。ほんの少しだけ寂しそうな声で。眉を寄せて、おあずけをくらいっぱなしの犬みたいな顔で。自分の顔の破壊力を全部分かったうえでやっている行為と分かっていながら、私は治くんのその顔に弱かった。
「……もう、ちょっと、まって」
ください。
お願いします。
目を逸らしてそう応えると、治くんはふーっと音のない、息だけのため息を吐き出して、私の肩を両手で鷲づかんだまま項垂れた。
「……待つけど、向こうで浮気はあかんで」
「しないよ……10日のうちに浮気なんかできない」
「10日以上あったらするんか」
「そういう意味じゃないけど」
「……やっぱキスしたい」
「ちょ、」
結局おでこへのキスで手を打ってもらった。「俺からのちゅーは初めてや！」と何故かテンションが上がっていたのでその場は流れた。
その日はなんとなくいつもの5人でご飯を食べに行った。
ファミレスで双子が騒ぎ過ぎたので店員さんに注意された。銀島くんと一緒に沢山頭を下げたけど、侑くんは全然謝らなかった。私が怒ったらぶすくれてた。
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亜莉沙(プロフ) - すごい続きが気になる終わり方...！ (2020年12月21日 15時) (
レス) id: 363b9c8c34 (このIDを非表示/違反報告)
みやすなすー - 続き見たかったよぅっ…！ (2020年6月30日 18時) (レス) id: 22d4d41058 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず。(プロフ) - 子さんの書く夢主ちゃんと双子の掛け合いが可愛らしくて大好きです！更新楽しみにしています！お身体に気をつけてください！ (2020年4月20日 3時) (レス) id: 6fdce1ba75 (このIDを非表示/違反報告)
なつみかん(プロフ) - 大好き過ぎて更新楽しみにしてます！笑 (2020年3月21日 0時) (レス) id: 0a5ad8d0ef (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 更新お疲れ様です！私も見る専です！笑 (2020年3月20日 16時) (レス) id: 94878ef260 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：子
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8ef4f72c271/
作成日時：2020年3月15日 0時
