寂しいと死んじゃうらしい私の彼氏の取り扱い説明書【灰谷蘭】

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三途 side









アイツ、Aと初めて会ったのは俺が6歳とかそこらのときだ。


まだガキだったあの頃の記憶なんてほとんど残ってねぇが、アイツと初めて会った時の記憶は死ぬほど鮮明に覚えてるわ。



俺はな、お前よりはるか昔、アイツがこーんなちっこい赤ん坊の頃からアイツのことを知ってんだよ。

ﾊｯ、従兄妹舐めんなよ。







いつだったっけか、確か冬で雪が降ってる日、母親に手を引かれて連れていかれた場所。

死ぬほどにクソでかくて、もうもはや城レベルにでけぇ家と言っていいか分からねぇ家がアイツの本家だった。


んで、その家の中にいた天使が、A。


まじアイツはあの頃から天使だったからな。
俺はガキの頃からアイツに春ちゃんって呼ばれてたわ。

もはや滑舌悪くてはーちゃ、って呼ばれてた。
やべぇ思い出しただけでくそ可愛い。









…あﾞ？んな事はどうでもいいって？

ﾁｯ、わぁったよ。








一言でまとめると、アイツの家は死ぬほどの金持ち。

俗に言う財閥ってやつだよ。




しっかも面倒なことになぁ、アイツの家の本家は日本じゃねぇんだよ。


そんな驚くことじゃねぇだろ？
思い出してみろよ、アイツの瞳。日本人じゃありえないくらい綺麗な碧眼だったろうが。




アイツの父親がイギリス人で、由緒正しい家の一人息子。

んで、その親父と結婚したのが日本人のアイツの母親。




父親は日本がそんな好きじゃないって言うかなんて言うかな、よくわかんねぇけど俺もあんま見たことねぇんだよ。

ただ、アイツの母親から聞いた話だと、日本に滞在することがほぼほぼないらしい。
あとアイツの父親、クソイケメン。







それでここからが本題♡

アイツがいなくなった理由はか〜んたん､結婚 だよ。








クソおもしれぇな、その間抜け面♡♡



アイツはイギリスの由緒正しい家系の唯一の娘。

ってなると婚約者がいてもなんもおかしくはねぇだろ？









怒んじゃねぇよ、一々めんどくせぇな。


アイツはな、本当なら20歳ちょっとで結婚するはずだったんだよ。

父親からの20歳の誕生日プレゼントがまさかの婚約で、その後トントン拍子で結婚までたどり着く予定だったらしい。



でもアイツは25歳になるこの時期に結婚する、何故かわかるよなぁ？

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