うわさ91 ページ41
赤葦｢...酷いのは、俺の方です｣
バスをおりてみんなと解散した後、京治と2人で歩く帰り道
チカチカと点滅する街灯がやけに眩しい。
赤葦｢Aさんの事、分かってるつもりでした。
...つもりだったんです｣
激しく点滅していた街灯が消え、
ほぼ同時に月に雲がかかる。
赤葦｢きっとAさんは黒尾さんが好きで、
俺に勝ち目はないって思ってました。
実質振られたあの遊園地の後も、
分かってても、理屈じゃありませんでした｣
あかりの消えた空間で京治の顔はよく見えない
赤葦｢好きって、
Aさんを好きって気持ちは理屈じゃありませんでした｣
ジジッと音を立てた街灯が再び私たちを照らす
京治は眉をひそめて笑い、
大粒の涙を流していた。
いつもしっかりしている彼の少し幼い一面に胸がズキリと痛む。
赤葦｢けどやっぱり、何よりAさんには、幸せになって欲しいんです。
...だから、これは俺からの最後のわがままです。｣
赤葦｢...俺をちゃんと振ってくれませんか｣
そう言った京治の視線は真っ直ぐと私へ向けられていた。
なんて、今更言うことでもないのかもしれない。
...初めて会った時からそうだったから。
京治はいつも、私と真っ直ぐ向き合ってくれていた。
貴女｢京治、本当にありがとう。｣
赤葦｢はい｣
貴女｢私バカだから、いっぱい迷惑かけたし傷つけた｣
赤葦｢...そういう所も好きでしたよ｣
貴女｢遊園地も合宿も、色々あったけど本当に楽しかった｣
赤葦｢俺もです。｣
貴女｢...でもごめんなさい｣
赤葦｢...｣
貴女｢京治の気持ちには、
私じゃ...こたえられない｣
赤葦｢...はい｣
貴女｢本当にありがとう、本当にごめんなさい｣
深く深く頭を下げると、少し笑う京治の声が聞こえた。
赤葦｢振られちゃったので、潔く帰りますね。｣
その顔は先程と同じような笑顔を浮かべていたが、涙はなくて
どこか晴れやかな顔に見えた。
赤葦｢...大好きでした｣
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まさ(プロフ) - あと、そのうち(もしくは数年後)に続編orスピンオフ的なものが出るかも。両方も可能性あり。ですね！わからんけど。 (2022年11月21日 0時) (
レス) id: be561e0e8b (このIDを非表示/違反報告)
まさ(プロフ) - 文章の稚拙さこそあれどストーリーめっちゃ好きで何度も読み返してる。みんなも読んでくれて嬉しい。ありがとうございます！！！私が書きました！ (2022年11月21日 0時) (レス) id: be561e0e8b (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬将哲 - マジありがとうございます。控めに言って神作品でした。あかーしの気持ちも、ツッキーの気持ちも、研磨の気持ちも、クロの気持ちも、噛みしめながら読ませていただきました。この作品に出会えたことが光栄です！！ (2021年12月29日 20時) (レス) @page50 id: 66e180f351 (このIDを非表示/違反報告)
胡麻塩(プロフ) - 完結おめでとうございます！1話目から一気読みさせてもらいました……！！その恋心に気づいているのに、気付かないふりをするというか、その感じが正直読んでて物凄くムズムズしました…。こんなに素敵な作品を書いて下さりありがとうございました！！お疲れ様でした！ (2021年9月5日 10時) (レス) id: 469968cddf (このIDを非表示/違反報告)
アキネコ - 好き。 (2021年8月30日 6時) (レス) id: 15b517afd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まさ | 作成日時：2020年4月26日 17時
