全部、噂のせいだから。2【黒尾鉄朗】

うわさ79 ページ29

白福｢ちぇっ逃げちゃった〜｣


雀田｢タイミングいいんだが悪いんだか｣



廊下奥から聞こえた大きな声

それに反応したAが小走りで抜け出した後ろ姿を2人で眺める


Aが向かった先にはトサカ頭と小柄な2人組



雀田｢やっぱ黒尾か｣



白福｢黒尾かな〜｣





正直どこか分かっていた。


Aのそこは



結局赤葦にならないことを。





雀田｢でもさ、


赤葦の相談乗ってたせいでどうしてもそっちに肩入れちゃって余計なお世話しちゃうんだよ


....ダメだな私｣



第三者が突っ走って

正直邪魔をしているような気がして酷く胸がいたんだ。






白福｢も〜らしくないな〜

私達は私達の可愛い後輩の面倒みて


幸せを願ってるだけ｣




雀田｢...でもAからすれば｣



白福｢Aの答えがはっきりしたなら

Aの幸せを1番に願うでしょ？｣



雀田｢当たり前じゃん！！

ずっと願ってるよ！！｣


反射的に

でも心からの本心でそう言い返せば


にっと上がる雪絵の口角






白福｢私達、いい女だね〜｣




そう言いながらAの元へ向かって



廊下を小走りで進んだ雪絵の後ろ姿を1人で眺める。




白福｢ほらはやくいくよ〜！｣



少し大きな声で振り返る雪絵





雀田｢普段は絶対私の方がしっかりしてるのに｣



なんて言ってみるけど




私の口元も緩むのを感じた




雀田｢わかってる！！！｣

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