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Noside
大通りを出て、下町に差し掛かる。すると、怪しく光る刀の切っ先が彼女の首元を掠めていた。
「こりゃあ紅眼じゃねぇか、珍しいもんがいるもんだ。しかも女。こりゃ上物だ。高く売れる」
そう言えばゾロゾロと湧き出てくる浪士たち。
「決して殺すなよ。生かして捕まえろ」
「「「「「御意!」」」」」
その言葉と同時に襲い掛かる十五人程度の浪士たち。
少女は無言で刀を取りだし、一人一人捌いていく。
そんな彼女の姿に一人の浪士が声を上げた。
「こ、こいつ……“紅眼の戦姫”だァァ!!」
その男もまた容赦なく斬られる。
「“紅眼の戦姫“か。こりゃ売る先変えにゃならんな。生かしてとらえて、幕府に突き出すぞ」
「「「「オォー!!」」」
再び襲い掛かる浪士たち。しかし、皆少女に斬り殺されていく。
「ぐ………うあああ!!」
焦りを募らせたリーダーらしきものが苦無を投げる。別の男を斬っていた少女はそれに気づかず、肩に刺さる。少女はリーダーらしき者をキッと睨むと、刀を持って逃走を図った。だが、そんな少女の前に新たな増援が現れる。しかし、彼女はまるで息をするかのように敵を斬り殺していく。最後にはリーダーらしき者も斬り殺し、傷だらけの少女は今夜も“彼”を探して歩く。
_____彼女が通った後には血と、死体しか残らない。そんな“紅眼”の彼女は幕府軍から恐れられ、こう呼ばれていた。
“紅眼の戦姫”と
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作者名:花遥 | 作成日時:2019年10月3日 22時