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Noside
「遅れて申し訳ありません！」
息きれぎれに襖を勢いよく開けながら言い放ったその言葉。
「おいコラ、時雨。こりゃどういうことだ、十文字以内で説明しろォ」
「ヒッ、せめて百文字頂けませんかァ！」
スライディング土下座をかましながらそう言う時雨。
「それがてめェの遺言でいいんだなァ！！」
「ヒギャァァア！！」
「おい山崎ィ、なんとしても奴らの拠点抑えてこい」
「ヒッ、は、はいィィ！」
「天人との戦で活躍したかつての英雄も、天人様様の世の中じゃ、ただの反乱分子か。この御時世に天人追い払おうなんざたいした夢想家だよ。なァ？反乱分子の時雨さん？」
「ヒッ、ごごごご、ごめんなさいィィ！！」
「ごめんなさいで済んだら切腹は要らねェんだァ！」
「………じじじ、実を言いますと、私“紅眼の戦姫”だったりしなくもないですゥ！！あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"！！やっぱり今の忘れてくださいィィイ！自分で言うのも恥ずかしいんですよォォオ！！ていうかもう今の全部忘れてェェエ！！私まだここでいたいですゥゥウ！！」
「なんだってェェエ！！」
「ヒギャァァア！！聞こえてたァァ！！」
「全然聞こえなかったわ、もっかい言ってみろ」
「「………」」
「いや、なんか喋れよォォオ！！このままじゃ、この回終わっちまうぞォォオ！」
「……まぁその、成り行き？」
「いや成り行き？ってなんだよ」
「いやぁー、あの銀髪天パがもう一人いましたよね？あれ、私の兄だったりします」
「……兄貴が攘夷志士ってか」
「いえ！決してそんなことはないです！(今は！)」
「じゃあなんだってんだ」
「いやだからほら、成り行き？」
「いや成り行き？じゃねェよ」
「えーと、その半分脅された形でその…攘夷志士に…」
「攘夷志士に？」
「………手伝わされてました。一生の不覚です…」
「俺はその腰にある刀が一生の不覚だと思うがなァ？」
「げ……」
「てめェ、何しとったんじゃァァァ！！」
「ヒギャァァア！！」
「うるさいですよー、土方さん」
「総悟、てめェよくあの爆音と叫び声の中で寝てられるな」
「爆音って……また、テロ防げなかったんですかィ？何やってんでィ、土方さん真面目に働けよ」
「もう一回眠るか、コラ。天人の館がいくらフッ飛ぼうがしったこっちゃねェよ。連中泳がして、雁首揃ったところをまとめて叩き斬ってやる。真選組の晴れ舞台だぜ。楽しい喧嘩になりそうだ」
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作者名：花遥 | 作成日時：2019年10月3日 22時
