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Noside
「ここであってんだよな」
「うん。それよりさ、帰っていい?」
「何言ってんだ、落し物と届けんのも警察の仕事だろ」
「それもそうか…」
時雨には少し抜けているところがある。
今のようにそれっぽいことを言えば直ぐに信じるところである。
何も疑うことのないこの純粋無垢な心にはヤラシイことなんて一切ない。
まぁつまり下ネタは分からない。
「大使館………これ、犬威星の大使館ですよ」
「犬威星っていったら、地球に最初に来た天人だよね」
「あぁ、江戸城に大砲ブチ込んで無理矢理開国しちまったおっかねー奴らだよ。嫌なトコ来ちゃったな、オイ」
「オイ、こんな所で何やってんだ、てめーら。食われてーのか、あぁ?」
「いや……僕ら、届けもの頼まれただけで」
「オラ、神楽早く渡……」
「チッチッチッ、おいでワンちゃん、酢昆布あげるヨ」
突如神楽の頭に落ちる手
「ちょっ、兄さん!大丈夫、神楽?」
「わーん、とっても痛いよー。あー、あのケーキがあればー」
「だって兄さん!」
「てめェもてめェで騙されんなっ!」
時雨の頭にも落ちるチョップ
「……痛い」
「届けものが来るなんて聞いてねーな。最近はただでさえ爆弾テロ警戒して厳戒態勢なんだ、帰れ」
「ドッグフードかもしんねーぞ。貰っとけって」
そう言って包みを差し出す
「そんなもん食うか」
突如弾き飛ばされる包み
宙に舞った包みはそのまま大使館の敷地内に着地………するはずだった
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作者名:花遥 | 作成日時:2019年10月3日 22時