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ピアノコンクールに無知だったのは遠い昔の話で、今では年内スケジュールを読み上げられる程に詳しくなっている。
清の言う"こんな時期"の意味をすぐに理解したけれど触れる事はせず電話を切った。
清の知名度は大学時代よりも高くなっている。
アジア人がフランスで何年も音楽を続けるのは難しく、挫折する人間が多いなかずっと留まり続けているのだ。
昨年ワルシャワで開催されたコンクールで入賞した時は清の功績がこちらでもニュースになった。
アジア人の現役ピアニストと聞かれて答えるとすれば、清か…もしくは。
「キュヒョンさんキュヒョンさん」
『うん？』
「ほら見て下さい。この人、キュヒョンさんの好きなピアニストじゃないですか？」
電話を終え出番までの間控え室で寛ぐ。
スタイリストの子がチャンネルを変えると、テレビに映る黒塗りのスタンウェイ。
「…ふーん。もうすぐショパン国際コンクール？予選？が始まるんですね！Aさんでしたっけ？頑張って欲しいなぁ」
煌びやかな音色がテレビ越しに流れてくる。
白いドレスに身を包んだ姿が目に焼き付いて息を忘れる。
ひとつ結びの髪に括られたリボンの青が、昔大学で見た彼女の筆箱の色を思い出させた。
(……キュヒョンくん)
一番後ろの席で一緒に音楽を聴いている。
流れる音色は耳に心地良く、彼女と、音と、どちらにも魅せられて動けない。
『……』
ショパン国際コンクール。
Aは当時から楽譜を読み次の開催を志していた。
あれから…もう４年経つんだな。
『せっかく清の話、スルーしたのに』
「……へ？」
『ん。何でもない』
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samie(プロフ) - あゆいなさん» お返事が遅れてしまってすみません(T_T)忙しくて更新出来ていなかったのですが今日から再開します。ぜひ最後まで読んで貰えると嬉しいです(*^^*) (2016年9月8日 18時) (
レス) id: 0f9a288193 (このIDを非表示/違反報告)
あゆいな(プロフ) - 今日一気に読ませていただきました。涙が止まらなくて、素晴らしいお話だと思いました。お忙しいとは思いますが、続きを楽しみにしています。頑張って下さい。 (2016年7月31日 10時) (レス) id: f044a5867f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - samieさん» コメント、ありがとうございます♪これからも、読み続けようと思います。頑張って下さい!! (2016年7月5日 17時) (レス) id: facabdd0a9 (このIDを非表示/違反報告)
samie(プロフ) - ゆうなさん» はじめまして！長いお話ですが初めから読んで貰えて嬉しいです(*^^*)ありがとうございます！もう少し続きますので最後までよろしくお願い致します！ (2016年7月5日 14時) (レス) id: 0f9a288193 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 「奏」1から、全て読んでみました。とても、面白かったです！私もピアノとショパンが大好きです。楽しませてもらいました。ありがとうございました。 (2016年7月4日 18時) (レス) id: facabdd0a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：samie | 作者ホームページ：http://nanos.jp/samiesj/
作成日時：2016年6月20日 12時
