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「この映画…すごく好きなんだ」
『どういうところが？』
「えっと…主人公がね、ちょっと、私みたいで…」
ピアノしか知らず、ピアノの世界でしか生きられない人。
笑ってみせるとキュヒョンくんは真っ直ぐに私を見つめた。
『Aとは似てないよ』
「え…そう…かな…」
『一つの世界に閉じこもってる訳じゃないし、ピアノだけじゃないじゃん。それに…今から新しい世界に羽ばたこうとしてる』
「…っ…」
『なかなか出来ることじゃない。主人公とは違うよ』
映画を流したのは失敗だったかもしれない。
最後の主人公が消えてしまうシーンはいつ観ても涙してしまう。私は、泣かないようにするのに必死だった。キュヒョンくんの言葉のせいでますます喉がつまってしまう。
「ね…ねえキュヒョンくん」
『うん？』
「ハルちゃん、キーボード…持ってたんだね…」
いてもたってもいられなくてソファ横のキーボードに話題を変えた。ハルちゃんはクラリネットだけだと思ってたけどキーボードも持っていたみたい。
『ああ、感化されたって』
「え…そうなんだ…」
私に感化された、ってことでいいのだろうか。だとしたらとても嬉しい。私は立ち上がりキーボードの蓋を開く。キュヒョンくんは目の前に現れ『弾いてみて』と私を見下ろしながら呟いた。
……。
「何がいい？」
『え？』
「今日は最後だから…何でも弾くよ…」
キュヒョンくんが私に言ってくれたのと同じ言葉を返してみる。
彼は私を見下ろし、悩むことなくこう呟いた。
『じゃあ………別れの曲、弾いて』
*
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samie(プロフ) - あゆいなさん» お返事が遅れてしまってすみません(T_T)忙しくて更新出来ていなかったのですが今日から再開します。ぜひ最後まで読んで貰えると嬉しいです(*^^*) (2016年9月8日 18時) (
レス) id: 0f9a288193 (このIDを非表示/違反報告)
あゆいな(プロフ) - 今日一気に読ませていただきました。涙が止まらなくて、素晴らしいお話だと思いました。お忙しいとは思いますが、続きを楽しみにしています。頑張って下さい。 (2016年7月31日 10時) (レス) id: f044a5867f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - samieさん» コメント、ありがとうございます♪これからも、読み続けようと思います。頑張って下さい!! (2016年7月5日 17時) (レス) id: facabdd0a9 (このIDを非表示/違反報告)
samie(プロフ) - ゆうなさん» はじめまして！長いお話ですが初めから読んで貰えて嬉しいです(*^^*)ありがとうございます！もう少し続きますので最後までよろしくお願い致します！ (2016年7月5日 14時) (レス) id: 0f9a288193 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 「奏」1から、全て読んでみました。とても、面白かったです！私もピアノとショパンが大好きです。楽しませてもらいました。ありがとうございました。 (2016年7月4日 18時) (レス) id: facabdd0a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：samie | 作者ホームページ：http://nanos.jp/samiesj/
作成日時：2016年6月20日 12時
