第五話 ~狼ゲーム~ ページ6
『その人を離せ！！』
「……ｯ！」
そう言って睨みつけると、
謎の人物はやむを得ないといった様子で肩を一瞬竦めた後
勢いよくこちらに向かって走ってきた。
手にはもちろんさっきのスタンガン
残念だけど、その手には乗らないよ！
『……っ！』
上手くかわして……
ここでサッと足をひっかけてバランスを崩させた。
「！？」
よし、引っかかった！
今のうちにスタンガンを……！
ﾄﾞｽｯ……
『っ……！？』
確かにバランスを崩したはずなのに一瞬で体制を立て直した謎の人物。
コイツ、慣れてる……！
驚愕して思わず力が抜けたその一瞬の隙にバッと手が伸びてきた、今度は避けれない。
『は、っなして……っ！！』
抵抗虚しく、謎の人物に思い切り手を掴まれグイッと引き寄せられた後
首の後ろにそのまま手刀を入れられて、
わたしの意識はそこでプツンと切れてしまった……
『ｯかん、ざき、くん……』
＿＿＿
「A先輩、遅いな……
戻って様子を見に行くか。」
＿＿＿
「A先輩〜！」
廊下はよく声が通るから、オフィスにいても声に気づかないなんてことは流石にないと思う。
しかし、先輩の返答はない。
本格的に不安になって、オフィスへ向かう足取りが段々速くなっていく。
それと同時に加速する心臓と荒くなる息遣い。
「……ｯ！！」
オフィスへと続く廊下を曲がった瞬間、
最悪の光景が目に飛び込んできた。
「これ……、A先輩、の……」
そこに落ちていたのは、先輩がいつもカバンに付けている花のストラップだった。
何かの拍子に取れてしまったのか、チェーンが外れていた。
僕の頭の中では最悪のシナリオが出来上がっていた。
A先輩は十中八九……
「……A先輩ｯ、！」
どうしてあの時、先輩と一緒に居なかったんだ！！
無理を言ってでも手伝っていれば、何か変わっていたのかもしれないのに！！
どうして……
「……」
僕は、床に叩きつけられていた花のストラップを拾い上げ
強く握りしめた。
……A先輩、必ず貴女を探し出します。
だから、少しの辛抱です。
待ってて下さいね、僕が必ずA先輩を助けてみせます。
＿＿＿
『？』
目を覚ますとそこは薄暗い部屋で、
何故かわたしは部屋の真ん中にポツンと置かれたイスに座っていた。
わたしがいつもいる場所とは全く雰囲気も空気も違う。
『どういう状況だ……？』
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朝倉 - 凄い面白いです!そうしろうと夢主ちゃんの距離感大好きです!!更新がんばって下さい応援してます! (2018年10月31日 22時) (
レス) id: ea1d87dedf (このIDを非表示/違反報告)
夢 - え。普通に好きです。ソウシロウの夢小説作ってる方少ないから嬉しい！頑張ってください！ (2018年10月28日 15時) (レス) id: 3b3cdc241a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空白 | 作成日時：2018年10月28日 14時
