番外編第五話 ~先輩の誕生日~ ページ49
＿＿＿6月19日
「Aちゃん態々悪いわねぇ、
本当にいつも助かってるわ。」
『いえいえとんでもないです、
これくらいならお安い御用ですよ♪』
そう言うわたしは今現在、
パトロールがてら近所のおばあちゃんの荷物運びを手伝っている。
警察官としての基本的な要素のひとつとして、
"地域の人達からの信頼"というのは必要不可欠だ。
まあそういう下心を持って手伝っている訳でもないのだが。
自分からしたらそういうつもりはないのだけど、
よく後輩達からは「休んで下さい」
としきりに言われ、
自分がやろうとしていた仕事をやってくれる子までいる。
実際、今わたしがこうしてパトロールをしているのも
休みましょうと半ば強引に外に出されてしまったからである。
そんなに疲れた顔をしている様に見えるのかな……
そんなことを思いながら腕時計に目を向けると、
もうそろそろ時刻は夕刻の6時を指すところだった。
これが片付いたらそろそろ一度署に戻ろうかな。
そういえば……
『ん……この腕時計、だいぶ古くなったな。』
警察学校の時辺りから常に時間を意識するようになったため、
貯金していたお金を少し崩して初めて腕時計を買ったのだ。
が、付けているうちに段々と古くなってしてしまって
最近はいつの間にか時計の針が止まってしまっていることもしばしば。
これは流石にそろそろ買い替え時かなぁ……
＿＿＿
「神崎先輩、こっちは終わりました。」
「了解♪
ありがとうツバキちゃん」
今日はA先輩の誕生日だ。
A先輩が外にパトロールに出ている間に、
僕達はオフィスの飾り付けをしていた。
A先輩は本当に数えきれないほど
沢山の部下から慕われている。
元々凄く人柄のいい人だし、
仕事は確実でアドバイスや提案は的確。
後輩にも分け隔てなく優しい彼女に人気がないわけが無い。
……かく言う自分も、
そのA先輩に惹かれた一人なのだけど。
今回僕は先輩にひとつプレゼントを用意した。
喜んで貰えるかな……
柄にもなく緊張して少し表情が強ばった。
そんな僕を見兼ねてか、ツバキちゃんが声をかけてくれる。
「神崎先輩は、
A先輩にどんなプレゼントを贈る予定なんですか？」
「ん〜？ふふ♪
まあそれはお楽しみってことで♪」
そんな他愛ない話をしていた時……
オフィスの外から低すぎず高すぎない
心地よい声が聞こえてきた。
『戻りました！』
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朝倉 - 凄い面白いです!そうしろうと夢主ちゃんの距離感大好きです!!更新がんばって下さい応援してます! (2018年10月31日 22時) (
レス) id: ea1d87dedf (このIDを非表示/違反報告)
夢 - え。普通に好きです。ソウシロウの夢小説作ってる方少ないから嬉しい！頑張ってください！ (2018年10月28日 15時) (レス) id: 3b3cdc241a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空白 | 作成日時：2018年10月28日 14時
