第四十二話 ページ47
いや……違う？
もし二人が怒っていると仮定するのなら、
気にしているのはその部分ではないか。
一番二人にとって重要な事実とすれば……
＿＿相田ユウヤはまだ生きている
ということだろう。
そして、なによりも……
その彼を助けたのはわたしだということ。
これらの理由なら、
あの子たちがわたしをここに連れてきたのにも頷ける。
でも、だとするなら……わたしは、
『あの子たちに、合わせる顔がないよ……』
＿＿＿
「戻ったぞ。」
「あ、変わりになりそうな物持ってきてくれたん？
二人共ありがとなー！」
植物室に戻るとミサキちゃんが笑顔で出迎えてくれた。
こんなに優しい顔をしていても、
わたし達への憎悪で内心は……
今にでも縊り殺したいほどの憎悪を抱えているのかもしれない。
そう思うと、
恐怖なんかより断然申し訳なさの方が勝り
自分の不甲斐なさに唇を噛んだ。
「いや、俺はコイツについて行っただけだから別に何もしていない。」
「そうなんか。ならAちゃんに感謝せんとな！」
『うんん、これくらい気にしないで。』
「……んん、なんかAちゃん元気ないな？
なんかあったん？話聞くよ？」
『え？
……ああいや、別に大したことじゃないから大丈夫だよ。
心配してくれてありがとう。』
できるだけ分からないように言ったつもりだったんだけど
ミサキちゃんも鋭いところがあるようだ。
安心させるように軽くまた微笑むと、
ミサキちゃんも次第にホッとした様子。
……本当に心根が優しいんだね。
恨んでいる相手に、ここまで気遣いができるなんて。
＿＿＿
『蛍光灯を取り換えて……あ、明かりがついた。』
「ほんまや！
……って、これ。」
「魚が一箇所に集まっているな。」
明かりが付き、もう一度水槽に目を向けると
数匹の水槽に入った中型の魚たちが
何やら水槽の底に群がっていた。
群がっている当たりに転がっている石には……
ああ、そういうことか。
『この魚、ピラニアじゃないかな？
だってほら
……血が付着した石に群がってる。』
「た、確かによくよく見てみると……」
そう言って怯えた顔をするミサキちゃんと
少し冷や汗をかいている新村くんをよそに、
わたしは水槽に沈んでいるあの石を取るために
ｶﾞﾘｯ……
「えっ！？」
「なっ……お前は何をしているんだ！？」
『え？
ピラニアは血に反応するから、
とりあえず一度血を垂らしておけば……』
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朝倉 - 凄い面白いです!そうしろうと夢主ちゃんの距離感大好きです!!更新がんばって下さい応援してます! (2018年10月31日 22時) (
レス) id: ea1d87dedf (このIDを非表示/違反報告)
夢 - え。普通に好きです。ソウシロウの夢小説作ってる方少ないから嬉しい！頑張ってください！ (2018年10月28日 15時) (レス) id: 3b3cdc241a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空白 | 作成日時：2018年10月28日 14時
