第三十九話 ページ40
『でもこの傷の形状からして、
鈍器になりそうなハンマーは候補から外れそうだね。
ハンマーでこんな荒々しい傷にはならないはずだから。』
「……ふむ、どこから調べたものか。」
『それこそ犯人が完璧な証拠隠滅でもしない限りは、
片っ端か調べていけば何かしら見つかると思うよ。』
「それもそうか。」
『まあでも……その必要はなさそうだよ？
ホラ、これ。』
そう言って考え込むように顎に手を当てている新村くんに
土屋さんのご遺体の近くに落ちている
スマートフォンを拾い上げ掲げて見せた。
『ね、まずはこれから調べてみようよ。』
＿＿＿
『勝手に他人のカバンを開けるのは気が引けるけど……
死人に口なしだからね、致し方ない。』
「……これは、手帳か？」
土屋さんの荷物を少しだけ拝借し、
見つけたのは水色の手帳。
……失礼だけど、
手帳なんて持ち歩くタイプには見えなかった。
もしかしたら意外と几帳面な性格だったのかも……
そんなことを考えながらわたしは手帳をパラパラとめくる。
「なんだこの写真は、」
『どうやらスマートフォンの待ち受け画面に
写っている女性と同一人物みたいだね。
12月24日、3周年記念……』
「意外と言ったら悪いが、彼女を大切にしていたんだな。」
『うん、
わたしも失礼だけど同じことを考えたよ……』
他に証拠になりそうなものも見つからないし、
少し安易な考えだけど、一か八か……
そう思いながら土屋さんのスマートフォンのロック画面に
1224と入力し、決定ボタンを押してみる。
すると
『わ、本当に開いた。
結構安易なパスワードだな。』
「もう少し捻りあるパスワードにすればいいものを……
まぁ、今はそのパスワードに感謝しないとな。」
『そうだね。
ん、カメラアプリの画面が開いてる？
何か撮影したのか……って、』
「！これは、狼の写真か？」
『うーん……』
そこに写っていたのは確かに狼の写真。
昨日ユキナリくんとわたしを襲った犯人の容貌と一緒に見えた。
しかし、肝心の凶器とされるものは写真がブレていて判断でき兼ねる。
これじゃあせっかく撮影してくれたけれど、
確実な証拠にはならないだろうな。
『この写真だけだと、
犯人を確証もって絞るのはまず無理だね。』
「そうだな。
……ハァ、面倒だが仕方ない。
各部屋を見て回ってみることにするか。」
『うん、そうしてみようか。』
そう言ってわたし達は大部屋を後にした。
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朝倉 - 凄い面白いです!そうしろうと夢主ちゃんの距離感大好きです!!更新がんばって下さい応援してます! (2018年10月31日 22時) (
レス) id: ea1d87dedf (このIDを非表示/違反報告)
夢 - え。普通に好きです。ソウシロウの夢小説作ってる方少ないから嬉しい！頑張ってください！ (2018年10月28日 15時) (レス) id: 3b3cdc241a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空白 | 作成日時：2018年10月28日 14時
