第二十五話 ページ26
『……わたし？』
「そうだ！
キミ、警察官なんだろう？
現場に出ているなら注射器の類も見たことあるだろうし。」
そう大声をあげながら指を指す彼。
わたしが一人で行動していたのは、
海堂さんのご遺体から注射痕を見つけた間の5分間だけ。
苦し紛れの言い訳だけど、
実際わたしは狼のカードを引いているしな……
どうやって返答しようかと考えていた矢先、
ミサキちゃんが声を上げた。
「Aちゃんは絶っ対そんなことする子やない！
私がミホさんの死体を見つけて気持ち悪くなっちゃった時、
すぐに洗面所に行こうって言って付き添ってくれたし！」
「そもそも最初から、
自分が狼だってカミングアウトすること自体リスクがあるしね♪
そんなリスク背負ってまで、
Aちゃんが不審な動きをするとは思えないかな♪」
「それに俺達が付き添うように一緒に行動していたからアリバイもあるし、
まずAには犯行は愚か不審な動きも不可能だと思うが。」
『……』
こんな状況なのになんだか少し胸が暖かくなった。
優しいな、皆。
米森さんは更に焦ったような表情をして、
なんとか言葉を紡いでいる。
「クッ……
な、ならどうやって注射器を用いて殺害したっていうんだ？
さっきも言ったが動いている人間に注射器なんて使えないぞ！」
「それなんだけど……
病室にある薬箱の中から注射器が入ったケースと、
睡眠薬の錠剤が入ってたんだ。
しかも、注射器は一本無くなってて
睡眠薬の錠剤は三錠使われた形跡があった。」
「そんなのあったのか。
じゃあ睡眠薬で眠らせたところに注射器使ったってことか？」
「恐らくそれで間違いないだろうな。」
「ち、違う……違う！
お、お前が狼だろ！涼しい顔しやがって！」
必死に自分の罪を否定してこちらを睨みつける米森さんに
少し気迫され半歩後ろに下がってしまう。
それを見兼ねたようにユキナリくんがわたしの前に立って、
守るように背に隠してくれる。
いつもは弱々しいけど、案外正義感のある子なんだな……
そんな中、私たちの判断を見兼ねたようにメリーの声が聞こえた。
＿＿……それでは、米森サトルを狼として処刑します！
＿＿＿
「い、いやだぁ……いやだ！」
「医者のくせに人殺すなんてサイテーだな！」
「私は、私は殺人なんてしていない……！」
そう言って頭を抱える米森さん。
そしてまたこちらを見ると、ｷｯと睨みつけてきた。
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朝倉 - 凄い面白いです!そうしろうと夢主ちゃんの距離感大好きです!!更新がんばって下さい応援してます! (2018年10月31日 22時) (
レス) id: ea1d87dedf (このIDを非表示/違反報告)
夢 - え。普通に好きです。ソウシロウの夢小説作ってる方少ないから嬉しい！頑張ってください！ (2018年10月28日 15時) (レス) id: 3b3cdc241a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空白 | 作成日時：2018年10月28日 14時
