第十二話 ページ13
『……』
間違いない。
寄せ書きに書かれている人物は、
あの電車事件の容疑者である相田ユウヤ。
そしてここに集められているのは無差別誘拐事件の被害者達。
最後に……
リンタロウ……どこかで聞いたことがあると思ったら、
電車事件で殺された女性の……子供の名前。
でも子供はひとりじゃない。
あの赤いコスプレ衣装の子、あの子がもうひとりだ。
『……ありがとう、返すよ。』
「う、うん……何かあったん？
すごい深刻そうな顔しとったけど」
『……そうだな。
過去に起きたとある事件と、少し似てる気がするなって思ったんだ。
でも、多分わたしの勘違いだ。
……いきなりすまなかったね。』
「いや、大丈夫やけど……」
そう言って色紙を受け取る彼女は目がほんの少しだけ揺らいでいて、
……確定だな。
そう改めて思った。
彼女はなんとも言えない空気感を立て直すようにまた声を上げた。
「あ、あと！これも落ちてたんやけどね」
「なんだこれ、病院のカルテ？」
「！？こっ、これは……
私の患者のカルテじゃないか！」
「え！？」
「つまり、病院から盗んだということか？」
カルテを見て酷く慌てた様子の医者らしい人。
何か隠したいことでもあるのだろうか？
ああ、もっと詳しく誘拐事件について調べておけばよかったな……
そんなことを考えていると、警察官の人がまた話し出した。
「とりあえず武器庫が危険だな……
誰かが武器を持ち出さないように、
俺は武器庫を見張ろうと思う。」
「うわー、怪しー……」
「ち、違う！
じゃ、じゃああんた……俺と一緒に来てくれよ。」
「えぇ、俺？
別にいいけどよ、めんどくせーな。」
怪しいと言われてしまった警察官の人は、
帽子を被った俳優のような人に声をかけた。
どうやら二人で見張るらしいけど、
どちらにせよあまり期待はしない方がよさそうだ。
『結局わたしはどうすればいいのかな？
またどこかの部屋でずっと待機してた方がいいかい？』
「う、うーん……」
「僕は別にみんなと同じように行動してもいいと思うけどな〜♪」
「は！？正気かよ
いくら口ではそう言っても、コイツ紛れもない狼なんだぞ！？」
「でも、ずっと一部屋に拘束は流石に可哀想だわ……」
「そ、それは確かに……」
『別にわたしはそこまで気にしないけれど……
まあ、この通りずっとここにいてどこも見れていないから
できるならある程度場所の把握はさせて貰いたいけどね。』
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朝倉 - 凄い面白いです!そうしろうと夢主ちゃんの距離感大好きです!!更新がんばって下さい応援してます! (2018年10月31日 22時) (
レス) id: ea1d87dedf (このIDを非表示/違反報告)
夢 - え。普通に好きです。ソウシロウの夢小説作ってる方少ないから嬉しい！頑張ってください！ (2018年10月28日 15時) (レス) id: 3b3cdc241a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空白 | 作成日時：2018年10月28日 14時
