検索窓
今日:10 hit、昨日:7 hit、合計:50,455 hit

第百三十一の怪 ページ41

___生徒会室



「えっ八尋さんハニ太郎を見つけてきてくれたの!?
助かるなぁ、捜してたんだよ!



そいつ昔アオちゃんからもらったモノでさ〜
肌身離さず持ち歩いてるんだけど、
毎回いつの間にかどっか行っちゃうんだよね〜」



「……」



「ほんとありがと!そこ置いといてくれるかな?



今ちょっと、



手が、離せなくてさ…………」



そう言った茜くんは床に手をついて頭を下げ……
所謂、土下座の姿勢をキープしたまま喋っていた。
茜くんの周りには周りを取り囲むようにお札のついた数珠が浮かんでいて、
まるで何か封印されてるみたいな光景だ。
うん……、何を見せられてるんだろう。



「あの……これは?」



「いやぁハハハ……



今日ミライが校内メチャクチャにしたじゃない?
あれでちょっ……と源会長を怒らせたかな〜みたいな感じでさ〜〜



この部屋に入った瞬間からかれこれ1時間かな



動かないんだよね……身体が……



この姿勢から1ミリも……」



「た、大変だね……」



『……これはちょっと可哀想だし、解除してあげようか。』



姿の見えないAちゃんがふとそう言ってパチンッとまた指を鳴らすと、
ジャラッと音を立てて茜くんの周りを取り囲んでいた数珠のような物が急に地面に落ちた。
その瞬間茜くんがびっくりしたように声を上げた。



「っは!!う、動ける……ッ!!



……もしかして八尋さんって超能力とか使える系の人だったりする?



とにかくありがとう!助かったよ。」



「い、いや……これ解いたのは私じゃなくて……」



あれ、もしかして茜くんはAちゃんの存在に気づいてないのかな……?
さっきのAちゃんの言葉も聞こえてないみたいだったし……
そう思った矢先、ガチャと扉が開いて源先輩が生徒会室に入ってきた。



「あれ?八尋さんだ
珍しいね、こんにちは。



……それから、なんで数珠の封印が解けてるの?蒼井」



「僕じゃないですよ!?八尋さんが解いてくれたんです」



「いや、私は何もしてない……」



「えっ、八尋さんじゃないなら一体誰が……」



「……あぁ、成程ね。」



そう言った源先輩は私の斜め後ろに目線を向けた。
も、もしかして源先輩は見えてる……?
はぁ、と小さなため息が聞こえたかと思うと



『……隠してても意味がないみたいだし、もう解こうか。』



という言葉と共に、パチンとまた指を鳴らす音が聞こえた。

第百三十二の怪→←第百三十の怪



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (133 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
231人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ひより - 更新待ってます!!! (3月17日 9時) (レス) @page46 id: 07c25e379c (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ - このシリーズ大好きです。いつでも更新まってます! (2023年2月28日 16時) (レス) id: 707eeda184 (このIDを非表示/違反報告)
- もう更新は無いのですか?いつでも待ってます!! (2022年12月24日 18時) (レス) id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - 続きがすごく気になります!!更新頑張ってください!!! (2022年12月3日 8時) (レス) @page46 id: bbb8acb98d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん - 続き読みたい (2022年7月8日 22時) (レス) @page42 id: 2b16648ba7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:空白 | 作成日時:2020年4月18日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。