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第百二十八の怪 ページ38

「……先輩っ!!」



「?」



そう言って声を掛けてきたのは光くん
真剣な顔をしながら聞いてきた
何かあったのかな……?



「あの……何か……困ってることとかありませんか?」



「?なんで?虫達はちょっと困ってるけど……」



「ええと、なんつーか……



何があっても、オレは先輩の味方ですから!!



だからっすね……何か……しんどいこととかあったら



オレだけじゃなくて、Aさんとかも……



周りには先輩を助けてくれる人がいることを忘れないで欲しいッス……」



「こ、光くん……?」



「すんませんなんでも!ないんです!



イミわかんないっすよね、すんません!!」



いきなりどうしたんだろう……
若干何か思い詰めたような顔をしているのが気になるけど、
私のことを気遣って声を掛けてきてくれたことには感謝したい。



「……うん、いつもありがとね。光くん。」







___



「……」



「……何度も言ったが



俺に何を言おうが、頼もうが、



未来は変わらん



それがあの娘の運命なら、死は確実に訪れる。



そういうものだ。



それは誰にも変えられないよ。」



「でも……!」



拳に力が入る。
なんとかして先輩を助けてあげたい、
どうすりゃ先輩を助けてやれる?
考えても考えても、答えはでない。
そんな時、蜘蛛野郎が口を開いた。



「まァ……、



未来を知りたいってんなら、少しくらいは構わんが。」



「ホントか!?お前いい蜘蛛野郎だな!!」



「土籠先生だ、



……ほらよ。」



「その本は……!」



そう言って蜘蛛野郎が机の引き出しから取り出したのは
先輩の名前が書かれた本。
書庫の噂がなくなっちまったから
てっきり本も消えたのかと思ったが……



「ああ、書庫にはもう入れねェが、



俺ァ元管理人だからな



本を取り寄せる方法くらいはある。



……で、今日の未来はここだな。」



そう言ってパラパラと慣れた手つきでページをめくりだす。
なんだ頼りになるじゃねぇか、
ちょっとだけ見直したぜ蜘蛛野郎!!



「……、



……!!?」



「それはいわば確定した未来、



止めたいと思うなら止めてみろ。



まず無理だろうがね。」



「う、ううう……」



「?」



「嘘だあああ!!!



うわああああああ!!!」







ガチャーン!



__うわっ中等部男子が棚につっこんだぞ!!



__キャーーー!?



「……、



大丈夫かアイツ……」

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ひより - 更新待ってます!!! (3月17日 9時) (レス) @page46 id: 07c25e379c (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ - このシリーズ大好きです。いつでも更新まってます! (2023年2月28日 16時) (レス) id: 707eeda184 (このIDを非表示/違反報告)
- もう更新は無いのですか?いつでも待ってます!! (2022年12月24日 18時) (レス) id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - 続きがすごく気になります!!更新頑張ってください!!! (2022年12月3日 8時) (レス) @page46 id: bbb8acb98d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん - 続き読みたい (2022年7月8日 22時) (レス) @page42 id: 2b16648ba7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空白 | 作成日時:2020年4月18日 5時

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