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第百十三の怪 ページ17

「さっき見えただろうけど、



ミライは手で触ってるものの時間を進めることができるんだ」



肩をすくめてそう言った茜くん
今までの大惨事に納得したようにみんなで頷く



「それであんなことに……」



「だからなんにも触れないように手袋させて



爺さんが境界に繋いどいてたはずなんだけど」



「爺さん?」



「ああ、過去を司る方の時計守



こっちはまだ話が通じる



……ま、そうは言っても所詮怪異だけどね」



さっきから思ってたけど……
茜くん怪異を妙に毛嫌いしてるような……?



「早急に捕まえるよう言いつけられてさ



……忙しいってのにいい迷惑



つーかお前が逃がしたんだろうが……」



また一人でブツブツと言いはじめた茜くんに近づきながら
すっと手を差し出して花子くんは言った



「てことはさー



君も俺もその"ミライ"を捕まえたいってことだよね



それじゃここはキョーリョクして、



一緒にその子を捕まえようよ」



「……」



ニコニコと笑顔で手を差し出す花子くんを無言で睨みつける茜くん
気になっておずおずと前に出て聞いてみる



「ちょっといい?



さっきから気になってたんだけど……



茜くんって、怪異のことキライなの?」



「……そんなこと」



ちょっとびっくりしたように目を一瞬見開いた茜くん
そしてさも当然と言うように言い放った



「当たり前でしょ



大っ嫌いだよ?」



「「「……」」」



「僕からすると……



逆に八尋さんがソイツと仲良くしてることが疑問だよね



さっきソイツがアオちゃんに何したか
八尋さんだって見てたでしょ?



よく平気でいられるよねー



アオちゃんと君って親友同士じゃないっけ?」



グサグサとトゲのある言い方で
問い詰めるように言う茜くんは少しこわい……けど



「……でも、花子くんは悪い子じゃないのよ



確かにちょっと下劣だけど
葵のことだって考えがあってのことで……



きっと本気で傷つける気なんて……」



「ああ、下劣なのは間違いないっす」



「ネー下劣って言うのやめない?傷つく」



話を聞いていた茜くんは
ニコニコとどこか怖い笑みを貼りつけている



「悪い子じゃない?
考えがあって?



へー……でもそいつさぁ」



そう言ってズカズカと花子くんに近づいて……



ガッ……



「人殺しなんだよね?」



「……!!」



そう花子くんのポケットに突っ込んでいた手を引っ張って、
出てきた包丁を掲げるように見せた……

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ひより - 更新待ってます!!! (3月17日 9時) (レス) @page46 id: 07c25e379c (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ - このシリーズ大好きです。いつでも更新まってます! (2023年2月28日 16時) (レス) id: 707eeda184 (このIDを非表示/違反報告)
- もう更新は無いのですか?いつでも待ってます!! (2022年12月24日 18時) (レス) id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - 続きがすごく気になります!!更新頑張ってください!!! (2022年12月3日 8時) (レス) @page46 id: bbb8acb98d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん - 続き読みたい (2022年7月8日 22時) (レス) @page42 id: 2b16648ba7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空白 | 作成日時:2020年4月18日 5時

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