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第九十八の怪 ページ2

『……二人をいつも助けるのも、



全部、結局はわたしの自分勝手なんだ



そうすれば……認めてくれるかなって



両親じゃないのに、思ってしまう』



「「「……」」」



『最低だよね、



理由はあれど実の両親に凶器を向けて



ましてや二人のことを両親に重ねて……



失望……した、よね……』



開いた目からは涙が溢れていた
ズボンをぎゅっと握っていたのか、そこには大きなしわができていた



「……、



そんなことないよ」



「そうっスよ!



あれだけの理由があれば、両親と重ねて考えるのなんて必然っス!」



『……なんで、…』



「……A、



何回も言ってるけど、悪いのはアイツらでAじゃないんだよ



そりゃ信用なんて簡単にできないよね……



……でもさ



この二人ならダイジョーブだと思わない?



絶対にAを嫌ったりしないだろうし、



今もこうやって手を差し伸べてくれてる



信じてみてもいいんじゃない?」



『……あまね、』



いつもの元気そうな笑みじゃない、
優しげな顔をしてAちゃんにそう言った花子くん



「そうだよ!



私がAちゃんのこと嫌うわけないじゃない!



いつも助けてもらってる側なんだから、



今度は私が助ける番だよっ!!」



「嫌ったりしないのは当たり前だ!



……オレも守られるんじゃなくて、守りたいっス!!」



『……









信じても……いいの?』



弱々しくこっちを見るAちゃん
三人で顔を合わせて笑い合う



「「うん!!/もちろんっス!!」」



『っ……、ありがとう……』



「あーあA泣いちゃった〜



少年のせいだー!」



「は!!?なんでオレのせいなんだよ!!



だ、大丈夫っスか!?」



暗い雰囲気を壊すようにそう言った花子くん
Aちゃんのことを一番よく分かってるのは花子くんなんだろうな
そっと泣きじゃくるAちゃんの頭に手を置いた



「よしよし……



お疲れ様、Aちゃん



私達に距離なんて感じなくていいんだよ?



だから、いつでも頼ってほしいな……!」



『っうん……』









___







そうしてAちゃんの過去を聞いた私達は



今までよりAちゃんと近づけた気がした



Aちゃんはそこまで変わった様子はないけど



前よりも私達のことを頼ってくれるようになった



顔もいつもより少し明るくなって



笑ったAちゃんはこれまでにないくらい嬉しそうだった

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ひより - 更新待ってます!!! (3月17日 9時) (レス) @page46 id: 07c25e379c (このIDを非表示/違反報告)
ショコラ - このシリーズ大好きです。いつでも更新まってます! (2023年2月28日 16時) (レス) id: 707eeda184 (このIDを非表示/違反報告)
- もう更新は無いのですか?いつでも待ってます!! (2022年12月24日 18時) (レス) id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ - 続きがすごく気になります!!更新頑張ってください!!! (2022年12月3日 8時) (レス) @page46 id: bbb8acb98d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん - 続き読みたい (2022年7月8日 22時) (レス) @page42 id: 2b16648ba7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空白 | 作成日時:2020年4月18日 5時

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