第五十四の怪 ＿＿ドーナツ ページ7
自分が変だって自覚は……ある
16時の書庫で二人の過去の姿を垣間見て以来
どうしてか、二人のことが真っ直ぐに見られない
昨日の掃除の時だって、花子くんに最近ヘンと言われた
でもしょうがないじゃない……だって私、
普通の女の子なんだもん！！！
畑を耕しながら私はそう思っていた
全部あの書庫で見た記憶のせいよ
あれのせいで変に実感がわいてきちゃって……
｢どうしたら一番いいのかな
今日もトイレ掃除、花子くんに会うんだよね……｣
｢へーっここの畑って先輩が世話してんすねぇ
いっつも誰がしてんだろって思ってたッス｣
｢み、源くん！？｣
｢ウッス！｣
突然現れたのは源くん
普段見ないエプロンを着けている
どうしたのかな？
｢あーちょっと先輩に頼みが……｣
｢頼み？｣
｢そのー……
先輩、ドーナツ作れますか？｣
＿＿＿家庭科室
｢いや〜先輩が料理上手でマジ助かったッス！
さっきまで兄ちゃんとやってたんすけど、
オレ料理苦手で……ちょっと失敗しちまって！｣
家庭科室の惨状をジト目で見つめた
｢"ちょっと"……？｣
家庭科室が壊れる……源先輩も大変ね
なんだこれは、どくだ、どくがあると
もっけちゃん達も騒ぐ
｢あ、掃除のこと花子にはオレが上手く言っといたッス！｣
｢そうなの、ありがとう！
でもどうして急にドーナツ？｣
｢い、いやぁ〜〜……
いっ妹が……あ、オレ妹がいるんスけどっ
その妹が急に"ドーナツ"が食べたいって駄々こね始めて……
ウチの台所じゃ作りづらいんでここ借りて……！｣
あたふたしながらそう言った源くん
ちょっと不思議に思ったけどそういうことなら！
｢突然すみませんッス！｣
｢ううん、平気
むしろちょっと助かっちゃったかも
……最近ちょっと二人と顔合わせづらくて
っあ、べ、別に喧嘩したとか何かされた訳じゃないのよっ
ただちょっと気まずいっていうかなんていうか……｣
ボウルを思いっきりぐるぐる回し混ぜていると
源くんがそれを止めた
｢待った
混ぜる時はこう……｣
＿＿��さっくり切るようにまぜましょう
あ、本当だ……
あれ？料理苦手なんじゃ？
｢……しんどい時もありますよね
これまで見えなかったもんが急に見えるようになるって｣
｢……｣
｢最初から見えてたオレだって、
やってらんねーって時あるし……｣
ゆっくり諭すようにそう言う源くん
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ひょうか - 面白い (2021年8月24日 19時) (
レス) id: 4984f5d9d8 (このIDを非表示/違反報告)
ミク(プロフ) - 空白さんっ！もし良ければ、「彼の桜の花が散るまでに」をみてくださーい！ (2020年6月6日 15時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)
カルリ - 何回も読んでます！続きが気になって仕方がありません…更新頑張って下さい！応援しています！ (2020年3月26日 12時) (レス) id: d9268bc93b (このIDを非表示/違反報告)
鼓星 - 何度も読ませてもらっています！！更新頑張ってください！！ (2020年3月19日 14時) (レス) id: 9cac1e4f4b (このIDを非表示/違反報告)
ガープ女子(プロフ) - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2020年3月19日 6時) (レス) id: feca30ed8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空白 | 作成日時：2020年3月19日 4時
