第九十六の怪 ページ49
『わたしの両親は家の跡継ぎとしてずっと
男の子が欲しかったそうなんだけど、』
「え……でも、」
『そうだね、わたしは女の子
だから両親からもいい顔をされなかった
……子供を中々授からなかったらしいから、
女の子のわたしが産まれたことが
余程不満だったんだと思う
小さい頃からあの人達はわたしに当たりが強くて
何か失敗すれば殴られ蹴られ刃物で傷をつけられてた
わたしが産まれたこと自体悪いことだったんだと、
……ずっとそう思って、後悔しながら生きてた』
「「「……」」」
Aちゃんの手は微かに震えている
『だからせめて少しだけでも親に認めらるように努力をしたんだ
勉強も運動もいい成績を残して、家に帰ったら家事全般を
そうすれば少なからず認めてくれると思ってた
……でも違った
わたしへの態度は何も変わらなかった
「どうやったら認めてくれる？」
わたしは純粋に気になって両親に聞いた
そうしたら……
「男に産まれ直してこい」
……そう、言われてね』
「最低……」
余りの酷さに手にぎゅっと力が入ってしまう
『勿論産まれ直せ、なんて到底無理な話だった
だから、親が望む姿に容姿を変えたんだ
髪を短く切って、女の子らしい服も全部捨てて
口調も元々標準語だったのを無理やり敬語に変えたりね
「これでどうですか」
って聞いたら、
「男として生きていくならいいだろう」
初めてお父様は頷いたんだ
……あの時は嬉しかったよ、やっと親に認められたんだってね
でもそれから両親は更に厳しくなった
暴力が日常茶飯事になっていって、身体に傷も増えた
身体中に傷があるのを見て、
日常的な会話をする子達も含めて、誰も近づいてこなくなった』
「……そんな、」
「酷い話っスね……」
『ずっと殴られて精神的にもかなり参っていたわたしは
毎日放課後に一人で泣くようになってた
……元々花が好きだったんだ
落ち着くし、見ていれば心が洗われる感じがしたから
だから植物園がお気に入りの場所だった』
Aちゃんの話す声が少し震え始めた
花子くんがAちゃんに寄り添う
『……いつもみたいに放課後植物園で泣いていた時に
「大丈夫？」
って声を掛けてくれた人が居たんだ
それが花子くん……いや、普くんとの初対面だった』
「……」
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ひょうか - 面白い (2021年8月24日 19時) (
レス) id: 4984f5d9d8 (このIDを非表示/違反報告)
ミク(プロフ) - 空白さんっ！もし良ければ、「彼の桜の花が散るまでに」をみてくださーい！ (2020年6月6日 15時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)
カルリ - 何回も読んでます！続きが気になって仕方がありません…更新頑張って下さい！応援しています！ (2020年3月26日 12時) (レス) id: d9268bc93b (このIDを非表示/違反報告)
鼓星 - 何度も読ませてもらっています！！更新頑張ってください！！ (2020年3月19日 14時) (レス) id: 9cac1e4f4b (このIDを非表示/違反報告)
ガープ女子(プロフ) - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2020年3月19日 6時) (レス) id: feca30ed8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空白 | 作成日時：2020年3月19日 4時
