第九十四の怪 ページ47
Aちゃんを追うように教室を出ていく花子くん
花子くんはすぐ隣を素早く横切ったかと思うと、
ｶﾁｬﾝ……
「！
鍵……？」
カバンから落ちたのか、ロケットのストラップがついた鍵が落ちていた
返さなきゃ！
そう思って鍵を掴んで花子くんを止める
「ねえ待って、これ……！」
「＿＿みーつけた」
でもその時、花子くんの声が聞こえたかと思うと
ふわりと白杖代が飛んできて私の周りを取り巻く
まだ花子くんに鍵を返すことが出来てないのに……
「待って、私まだ……！」
ﾋｭﾙﾙﾙ……
＿＿キーンコーンカーンコーン……
＿＿＿旧校舎女子トイレ
ｶﾞﾀｯ……
ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ……ﾊﾞﾝ！！
「きゃああああぁぁぁああ！！！」
一瞬景色が暗くなったかと思うと目の前には見慣れたトイレの……床！
『寧々ちゃん！』
ﾊﾟｯ……
「あ……」
痛みを覚悟して目をぎゅっと瞑る
でもふいに鼻を掠める落ち着いた花の匂い……
私はAちゃんにすんでのところで手を引っ張られていた
「あ、Aちゃん……！」
『無事……！？
……よかったぁ、』
凄く心配してくれていた様子のAちゃん
目からは微かに涙が溢れている
こんなに心配してくれることが嬉しくて
思わず優しくAちゃんの頭を撫でる
『……？っふふ、くすぐったい、』
「心配してくれてありがとう……！」
「……ハイハイいつまでイチャイチャしてるのかな
離れた離れたー」
しばらく微笑み合ってるとAちゃんの手を強く引いて花子くんが少しむっとした表情で言った
「それにヤシロ……
なんか変な服着てるね」
『デリカシーがない！』
「いでっ」
「へ、変……」
結構可愛くないかなこれ……！？
ちょっと落ち込んでいるとすぐさま花子くんに反論するAちゃん
ふふ、仲良しだな……
「ハイ、ちょっと動かないでね」
「？うん」
花子くんに言われた通りじっとしていると、私の周りをまた白杖代が取り巻いて……
「わ……！」
気づけば私の服はいつもの制服に戻っていた
「はい、こっちの方がヤシロはいいよ」
『うん、善し悪しを決める訳じゃないけど
この制服が寧々ちゃんらしい』
「『おかえり/おかえりなさい
ヤシロ/寧々ちゃん』」
そう言って花子くんはニヒと人懐こそうに
Aちゃんは控えめだけど心の底から嬉しそうに笑う
「……」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひょうか - 面白い (2021年8月24日 19時) (
レス) id: 4984f5d9d8 (このIDを非表示/違反報告)
ミク(プロフ) - 空白さんっ！もし良ければ、「彼の桜の花が散るまでに」をみてくださーい！ (2020年6月6日 15時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)
カルリ - 何回も読んでます！続きが気になって仕方がありません…更新頑張って下さい！応援しています！ (2020年3月26日 12時) (レス) id: d9268bc93b (このIDを非表示/違反報告)
鼓星 - 何度も読ませてもらっています！！更新頑張ってください！！ (2020年3月19日 14時) (レス) id: 9cac1e4f4b (このIDを非表示/違反報告)
ガープ女子(プロフ) - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2020年3月19日 6時) (レス) id: feca30ed8b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空白 | 作成日時：2020年3月19日 4時
