第六十九の怪 ページ22
＿＿っそれは……
『それは交渉ではなく強要です
……自分達が敬愛と称している人なら尚更でしょうに』
＿＿……
｢すごい……！｣
あの魚達をこんな簡単に……
思わず感嘆してしまう
『ともかく、寧々ちゃんが行かないと言っています
無理矢理連れて行こうとするのは許しませんよ？』
｢ごめんねっ……でも私はまだ二人のこと信じていたいから……
だから、諦めて！！｣
残念そうに項垂れる魚達
よし、これで諦めてくれるかな……
そう思った矢先、魚達はなにか思いついたように目を輝かせて言った
＿＿！ならば、貴女様が我らの世界に来てくだされば……！
『……』
｢えっ！？｣
＿＿……A様と仰っておりましたね？
＿＿貴女様が我ら魚の世界へ来てくだされば次代の主の座は安寧であります！
そう言ったかと思えばAちゃんの周りを取り囲む魚達
Aちゃんが連れていかれちゃう……！！
『どうしてわたしを……？
わたしははもう怪異、それに魚にはなれない』
｢そ、そうだよっ！Aちゃんは魚にはなれないんじゃ……｣
＿＿それは御心配には及びませぬ！
＿＿怪異同士でも縁は結べます、即ち貴女様にこの人魚様の生き血を飲んで頂ければよろしいだけ！
＿＿さあ！その醜い足を捨ていざ参りましょう！
＿＿我ら魚達の世界へ！！
ｸﾞﾗｯ……
『っ……！』
｢危ないっ……！！｣
Aちゃんの服をいきなり引っ張った魚達
突然の出来事だけど、瞬時の判断でAちゃんはそれを躱す
ドボｯｯ……
｢Aちゃんっっ！！！｣
でもたくさんの魚達に引っ張りこまれてAちゃんは水へ落ちてしまった
私は咄嗟にAちゃんの手を必死で掴む
｢ダメっっ！！！Aちゃんは連れていかせないわよ！！｣
『ねね、ちゃ……』
泣きそうな表情のAちゃん
＿＿させませぬぞ！
ｸﾞｲｯ……
『ｯ……』
｢きゃあっ！？｣
必死でなんとか陸にAちゃんを引っ張り、
安堵して力を抜いた一瞬で更に魚達は大勢で引っ張ってきた
今度はもう耐えれない
抵抗虚しく二人揃って水へ落ちてしまった
＿＿それでは……この人魚様の生き血をどうぞ
『待って！
寧々ちゃんは放して！』
｢Aちゃんっ！！？｣
『寧々ちゃんは連れて行かせない
寧々ちゃんはまだ生きている……未来がある
その未来を貴方達が決めるのは許さない』
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ひょうか - 面白い (2021年8月24日 19時) (
レス) id: 4984f5d9d8 (このIDを非表示/違反報告)
ミク(プロフ) - 空白さんっ！もし良ければ、「彼の桜の花が散るまでに」をみてくださーい！ (2020年6月6日 15時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)
カルリ - 何回も読んでます！続きが気になって仕方がありません…更新頑張って下さい！応援しています！ (2020年3月26日 12時) (レス) id: d9268bc93b (このIDを非表示/違反報告)
鼓星 - 何度も読ませてもらっています！！更新頑張ってください！！ (2020年3月19日 14時) (レス) id: 9cac1e4f4b (このIDを非表示/違反報告)
ガープ女子(プロフ) - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2020年3月19日 6時) (レス) id: feca30ed8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空白 | 作成日時：2020年3月19日 4時
