第六十八の怪 ページ21
『……ごめんね』
｢いいんだよ、それにこれは私が決めたこと
大丈夫……Aちゃんは悪くないよ｣
『……ありがとう』
短くそう言ったAちゃんに大人っぽさは無く、
私達と同じ年頃の女の子に見えた
｢……ちょっと嬉しいな｣
『……？』
｢Aちゃんの素っていうのかな……？
いつもが大人びてて、あんまり気にしてなかったけど
無理に気を張らなくても……いいんだよ？
私には気を使わなくていいからねっ！！
それに、私だけじゃなくてみんな多分そう思ってると思うから！
……無理にとは言わないけど、
いつか単純に友達として話せたらいいなって｣
『……そんなこと言ってくれる子ははじめてだなぁ』
薄く微笑みながらそう言ったAちゃん
その表情はどこか清々しい
『あ、そうだ……なら、
明日の人魚の眷属の話……少し心配だから、
わたしもついて行っていいかな？』
｢いいの！？Aちゃんが居てくれたら安心だよ
ありがとう！｣
『……うん！』
＿＿＿翌日中庭
｢ごめんなさい！やっぱり花子くんと縁を切るなんて無理！！｣
＿＿なッなんと！
ﾊﾞｯと人魚の生き血を魚に返す
｢いくら待遇が良くても、こんな途中で乗り換えるなんてできないよ
私は……花子くんとAちゃん、
二人のこと、信じたいの……！｣
『……』
＿＿お、おひいさま！もっと良くお考えになってください！
＿＿おひいさまさまほどの美魚であれば、どのような男でもイチコロにございます
｢いや、美魚って何……っあ！？｣
隙をついて私の制服を引っ張った魚達
水に落ちる……！そう思った時
『触らないでもらえるかな？』
ﾋｭｯ……
｢あ、Aちゃん……！！｣
『……やっぱり着いてきて良かった、
上手く寧々ちゃんを丸め込んで人魚の生き血を飲ませる気だったんだろうね
人魚様の眷属ともあろう方々が、こんな意地の悪い方法を……
……心底呆れましたよ』
その時のAちゃんの顔は表情こそ薄く笑っているものの、
その眼差しはとても冷ややかで氷のようだった
＿＿あの時屋上に居た女子の怪異……！何故邪魔をするのです！
＿＿我らはおひいさまの為を思って……
『……では、どうして
そのおひいさまである寧々ちゃんの意思を尊重しないのですか』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひょうか - 面白い (2021年8月24日 19時) (
レス) id: 4984f5d9d8 (このIDを非表示/違反報告)
ミク(プロフ) - 空白さんっ！もし良ければ、「彼の桜の花が散るまでに」をみてくださーい！ (2020年6月6日 15時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)
カルリ - 何回も読んでます！続きが気になって仕方がありません…更新頑張って下さい！応援しています！ (2020年3月26日 12時) (レス) id: d9268bc93b (このIDを非表示/違反報告)
鼓星 - 何度も読ませてもらっています！！更新頑張ってください！！ (2020年3月19日 14時) (レス) id: 9cac1e4f4b (このIDを非表示/違反報告)
ガープ女子(プロフ) - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2020年3月19日 6時) (レス) id: feca30ed8b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空白 | 作成日時：2020年3月19日 4時
