第五十八の怪 ページ11
｢Aちゃんもいいタイミングでよかった！
はい、これ……！｣
そう言って寧々ちゃんが私に渡してきたのは
『これ……チョコレート？』
｢うん！光くんからAちゃんにって｣
『あ……
光くんがわたしに好きなお菓子を聞きに来たのは
こういうことだったんだ
……っふふ、
次光くんにあった時お礼を言っておかないとね』
まさか光くんが好きなお菓子を
わざわざ作ってきてくれるとは思わなかった
感謝の気持ちでいっぱいになり、薄く笑みが零れる
｢……少年が、Aにお菓子を？｣
小さく普くんがそう言ったことには気づかない
｢そーいえば……今日はヤシロもフツーだネ｣
｢普通？｣
｢最近なんかヘンだったでしょ｣
最近寧々ちゃんはあまり顔を合わせてくれない
そうわたしも考えていると
すっと寧々ちゃんがわたし達に一歩近づいた
｢……二人は幽霊でもう死んじゃってて
他にも色々普通の人とは違ってる
そういうの……
今更だけど私なりにちゃんと考えてみて……
それで思ったの｣
｢『……』｣
寧々ちゃんの続きの言葉に少し緊張で顔が強ばりながら
じっと次の言葉を待つ
｢二人共……過去に色々あったっていうのを考えたら、
……少し、どうやって関わったらいいのかわからなくなった｣
｢『……』｣
｢でもね｣
｢『……？』｣
｢いいんだ、私がどうしたいかで決めるから
どんなことがあっても私……
二人のことが好き！！｣
｢ヤシロ……｣
『……っ寧々ちゃん』
｢だから……これからも一緒にいる！！
……変な態度取ってごめんね
お詫びにって訳じゃないけど、……一緒に食べよ！｣
寧々ちゃんは……ちゃんと私達のことも考えてくれている
少しの気遣い、でもそれが痛いほど嬉しい
これ以上ないくらいに嬉しくて幸せな笑みが零れた
そして寧々ちゃんがドーナツの袋を開けた……その途端
｢きゃっ……！？｣
ﾋﾞｭｵｵｵ……
｢ヤシロっ！｣
『寧々ちゃんｯ！大丈夫……！？』
とっさに如雨露で地面に水を垂らして
寧々ちゃんの周りに草木を生やして守る
｢う、うん……！Aちゃんのお陰でなんとか……
……黒い、鶴……？｣
そこに浮かんでいたのは、黒い折り鶴だった
この気配少し普通の怪異と、……違う？
ﾋｭｯ……
『危ない……！』
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ひょうか - 面白い (2021年8月24日 19時) (
レス) id: 4984f5d9d8 (このIDを非表示/違反報告)
ミク(プロフ) - 空白さんっ！もし良ければ、「彼の桜の花が散るまでに」をみてくださーい！ (2020年6月6日 15時) (レス) id: 1e828f9e08 (このIDを非表示/違反報告)
カルリ - 何回も読んでます！続きが気になって仕方がありません…更新頑張って下さい！応援しています！ (2020年3月26日 12時) (レス) id: d9268bc93b (このIDを非表示/違反報告)
鼓星 - 何度も読ませてもらっています！！更新頑張ってください！！ (2020年3月19日 14時) (レス) id: 9cac1e4f4b (このIDを非表示/違反報告)
ガープ女子(プロフ) - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2020年3月19日 6時) (レス) id: feca30ed8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空白 | 作成日時：2020年3月19日 4時
