記録十六 ページ17
「うおおお!猪突猛進!猪突猛進!!」
『……』
先日の任務で怪我をして蝶屋敷で療養しているはずの伊之助は、今日も懲りずに暴れ回っている。
陽射しが強くなっているこの頃、よくそんな体力が余っているな、と尊敬の意すら浮かんでくる
俺はというと、しのぶちゃんから伊之助達が倒した鬼が妙な血鬼術を使ったという知らせを受け、その話を詳しく聞くために伊之助の病室を訪れたのだ
しかし…………
「ガハハハ!!もう傷は痛くない!」「俺様は最強だからな!」「任務に行かせろ!!!」
先ほどからこればかりである
話を聞こうにもどたばたと暴れ回り、全くと言っていいほどこちらの話を聞いてくれる気配がない
このままでは拉致が開かないので腹を括り、俺は最終手段に出た
『…伊之助、ちゃんと話してくれるならしのぶちゃんに内緒で天ぷら差し入れしてあげよう』
「何!?!?
よし!!シロ!!!早く俺様の話を聞け!!!!」
『ありがとう。まずは天井から降りて、この椅子に座ってくれるか?』
「おう」
………ここまで効き目があるとは思っていなかったが、この際致し方ないだろう
あとで炭治郎にはお礼を言わなければいけない
伊之助を自分の近くの椅子に座らせ、持ってきた紙と万年筆を取り出した
まずは何から聞こうかと考えていると、伊之助は興味深そうにそれを眺めていた
『万年筆を見るの初めてか?』
「まんねんひつ…?紋逸達が字を書くときはふでってやつを使うって言ってたぞ」
『あぁ、筆は墨をつけて書く物だけど、これは違うんだ。この筒にインクが入っているからそのまま文字を書くことができる。言ってしまえば持ち運び用の筆だな』
「いんく…???」
『洋風の墨みたいな物だよ』
蓋を外した万年筆のペン先に鼻を近づけた伊之助は案の定飛び退いて「食い物じゃないんだな…」と非難の目を向けていた
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大正コソコソ噂話
伊之助くんは麗さんのことを「シロ」というあだ名で呼んでいるんです
これは普段、麗さんが白衣や白い羽織を着ていることからついたそうですよ
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作者名:リュウグウ | 作成日時:2020年3月23日 17時